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NHK大相撲中継再開 問題発生なら即中止

 NHKの大相撲生中継再開を受け、会見する日本相撲協会の放駒理事長=東京・両国国技館
 NHKの大相撲生中継再開を受け、会見する日本相撲協会の放駒理事長=東京・両国国技館

 NHKの福地茂雄会長は2日、大相撲秋場所(12日初日、両国国技館)について、生中継を再開することを発表した。野球賭博などの不祥事を受け、NHKは名古屋場所(7月)の中継を取りやめていた。協会の暴力団対策に道筋がついたと判断された形となったが、福地会長は「新たな問題が発生した場合、場所の途中でも中継を中止する」と明言。いわば“保護観察”付きの中継再開となった。

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 午後2時50分ごろ、相撲協会にNHKの生中継再開の一報が入った。二所ノ関広報部長(元関脇金剛)は、興奮してその瞬間を振り返った。「私は理事長室の隣の部屋にいたが、理事長が『やったあ』って言ったんですよ。声も震えていました」。協会にとって中継再開は悲願だった。

 暴力団排除宣言を出した8月30日、放駒理事長(元大関魁傑)はNHKを訪問し、中継再開を訴えた。「(再開の)お願いに行く時に大げさにいくのも…」と予定を伏せて最後のお願いに出向いた。努力が報われ「今までわれわれがやってきたことを評価していただいたと思う。ほっとしている」と笑顔をみせた。

 NHKは協会の努力に一定の評価をしている。福地会長は再開の理由を「反社会的勢力との関係を断ち切ろうという決意と、改革への具体的な道筋を協会が示したと受け止めた。視聴者から一定の理解が得られると思う。中継を楽しみにしている視聴者もいることなどを総合的に判断した」と説明した。

 ただし、同会長は「今後、新たな問題が発生した場合は、場所の途中でも中継中止を含めて毅然(きぜん)とした態度で臨む。5日目でも、10日目でもやめればいい」と言い切った。放駒理事長への電話でも「改革を続けてください」と生中継再開の条件を改めて伝えた。万が一、新たな不祥事が起きれば、即生中継が中止されることもあり得る。

 放駒理事長は毎場所初日に行われる協会あいさつで、「自分なりにどうするかを考えたい」と、秋場所でも独自におわびの文言を入れることを示唆。今後について「これが終わりではない。これからが新しい出発だ。中継再開が(再生への)追い風になればいいなと思う」と、話していた。

(2010年9月2日)





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