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貴乃花親方、涙の誓い…土俵の鬼になる!

 連合げいこを見守る(左から)貴乃花親方、常磐山親方、大嶽親方、間垣親方、阿武松親方、錣山親方、二子山親方、音羽山親方=東京・墨田区の間垣部屋(撮影・会津智海)
 連合げいこを見守る(左から)貴乃花親方、常磐山親方、大嶽親方、間垣親方、阿武松親方、錣山親方、二子山親方、音羽山親方=東京・墨田区の間垣部屋(撮影・会津智海)

 貴乃花親方(38)=元横綱貴乃花、日本相撲協会理事=が2日、景子夫人(45)を伴い、東京・杉並区にある故花田勝治氏の自宅を訪れた。1日に貴乃花親方の伯父で、元横綱初代若乃花の花田氏が82歳で死去。「土俵の鬼」と呼ばれた昭和の名横綱のそばに約20分間居て、最後の別れをした貴乃花親方は、うっすらと涙を浮かべながら功績を称え、関取19人を育てた亡き伯父のように弟子を育成することを誓った。

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 伯父の亡きがらと対面を果たした貴乃花親方の瞳には、うっすらと涙がにじんでいた。この日朝、東京都墨田区の間垣部屋での貴乃花グループ合同げいこに参加した後、景子夫人を伴い喪服姿で東京・杉並区の伯父の自宅を訪問した。約20分間、初代若乃花を前にして協会再生へ向けて尽力することを誓った。

 姿は変わっても、横綱の威厳は失っていなかった。「安らかにされていた感じです。りりしさがあると感じました。横綱若乃花という感じでした」と率直な感想を述べ「いつも元気でいるイメージでしたから。こういう時代が来るとは思わなかったです」。目を真っ赤にさせながら語った。

 2横綱2大関を含め19人の関取を育て上げた「土俵の鬼」の魂をしっかりと受け継ぐ。「なかなかまねの出来ることではない。『栃若時代』の功績とともにそれ以上にすごいこと。少子化で入門者が減っているが、それを言い訳には出来ない。見習って弟子育成に努めていきたい」と厳しい表情で語った。

 花田勝治氏は理事長時代に立ち合いの正常化を目的に「待った」の制裁金を導入した。審判部長に就任したばかりの貴乃花親方は「罰金というのもされてましたね。私はそこまで…というのはあります」と“踏襲”をやんわりと否定し、「あうんの呼吸を大切にしたい」と独自路線で土俵の正常化に努める方針を打ち出した。

 また伯父との思い出を問われると、「豪快な呼び戻し、お酒も強かった。背中に後光が差している感じで、近寄り難かった。ああいう存在にならないと、と思いました。鬼神めいた言葉も教えていただきました」。遠くを見つめるようにして、貴乃花親方は話した。

(2010年9月4日)





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