毎日新聞は、民主党代表選(14日投開票)の序盤情勢を探るため、党所属国会議員412人の支持動向を調査した。3日現在、小沢一郎前幹事長が180人超、菅直人首相が160人超の支持を得ている。国会議員票では小沢氏が一歩リードし、菅首相が猛追している。投票先を決めかねている議員が60人以上いるほか、世論動向などにより投票態度を変える議員もいるとみられ、両陣営の争奪戦は激しさを増しそうだ。
1日の告示後、衆参両院の党所属国会議員に対する本人取材を基本に、党内各グループの対応や民主党支持労組の動向を加味して集計した。国会議員票は1人2ポイントに換算され、総計1224ポイントのほぼ3分の2を占める。
3日現在で、小沢氏は185人に届く情勢。このうち、本人の意思表明など確実に小沢氏に投じる議員は122人。最終決断には至っていないが、投票が有力な議員が63人。党内最大勢力の小沢グループ(約150人)と支持表明した鳩山由紀夫前首相グループ(約50人)で計約200人となるが、現段階では固め切れていない。
一方、菅首相は164人。やや後れを取るが、確実な議員は122人と拮抗(きっこう)している。菅首相支持が有力なのは42人。首相グループ(約40人)に、支持表明した前原誠司国土交通相グループ(約40人)、野田佳彦財務相のグループ(約30人)の2グループの合算数(約110人)を上回り、支持を上積みしていることを示している。
衆院306人の内訳は小沢氏139人、菅首相129人、未定38人。参院106人では小沢氏46人、菅首相35人、未定25人。衆参とも小沢氏が先行しているが、参院での優位は小沢氏と密接な協力関係にある労組系議員が多いためとみられる。今後は態度を決定していない旧民社党グループ(約30人)の動向も焦点の一つだ。
衆院の新人議員143人は、小沢氏が代表、代表代行時代に擁立され、「小沢チルドレン」とも呼ばれる。しかし、投票先は小沢氏65人、菅首相55人、未定23人で、菅首相が善戦している。党本部の判断で名簿に掲載された比例単独議員35人に限ると、小沢氏22人、菅首相8人、未定5人で、小沢氏が引き離している。
衆院の新人議員は所属国会議員の35%を占める。菅首相の陣営も「新人の動向が勝敗を左右する」(幹部)とみて、菅首相が告示前の先月下旬、新人を対象とする3日間の懇談会を開き、取り込みに動いた。小沢氏に対しては、「政治とカネ」問題への世論の批判が強くあり、小沢氏の陣営では「切り崩された新人議員も少なくない」(幹部)と見ている。
「確実」「有力」の衆院議員は計268人で、小沢氏139人、菅首相129人だが、小選挙区に基盤を持つ議員(比例復活を含む)では、小沢氏111人に対し、菅首相が119人でリード。後援会員などが多い党員・サポーター(計300ポイント)の動向に影響を与える可能性もある。【竹島一登、大貫智子】
毎日新聞 2010年9月4日 2時30分(最終更新 9月4日 2時40分)