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【朝鮮半島ウオッチ】まるで19世紀 中国への「属国化」が顕著な北朝鮮 後継体制もお伺い? (1/3ページ)
北朝鮮の金正日体制による中国への従属度が、著しく高まっている。さきの首脳会談で胡錦濤・中国国家主席の改革・開放要求は金総書記に有無をいわせない内容だった。中国は10月、中朝国境の鴨緑江にかかる大橋の建設(総工費約150億円)に着工、北朝鮮が中国東北部の経済圏に組み込まれていくのは確実な情勢。後継人事の党代表者会を目前に訪中した金総書記の行動に「19世紀の冊封(さくほう)体制を彷彿させる」という専門家もいる。(久保田るり子)
北朝鮮は中国東北部の第4省?
金総書記が訪問した吉林、長春は、昨年8月、中国が発表した「長吉図(長春、吉林、図們江)開発計画」の主要都市だ。計画は東北3省(吉林省、黒龍江省、遼寧省)一帯の7万平方キロ(人口約1100万人)を物流・工業基地として開発、2020年までに現在のGDP(国内総生産)約3兆元(約38兆円)を4倍に増やそうという壮大なもの。
金総書記はその基地都市の鉄道公司、化学繊維、食品・農業プロジェクトなどの視察に多くの時間を費やし、地方幹部と面会した。食糧など中国の対北援助は、政府の指導下で実際は東北3省の地方政府が行っており、幹部面会は支援獲得の目的もあったとみられている。
中国政府は開発に北朝鮮を組み込み、中国から北朝鮮北東部の港、羅津に至る日本海ルートの確立を目指している。中国は昨秋、羅津港の10年間の使用権を確保した。将来は中国製品が北朝鮮の咸鏡北道を通じ羅津港(日本海)から世界に出ていくという中国シーレーン構想で、日韓両国の安全保障にも脅威となる。