貴親方が土俵の鬼継承、関取育てる
貴乃花親方(38=元横綱)が、「土俵の鬼」から弟子育成を見習いたい姿勢を示した。2日、東京・墨田区の間垣部屋で「貴乃花グループ」による連合げいこを実施。1日に死去した元横綱初代若乃花の花田勝治氏(享年82)をしのぶように、猛げいこを展開した。2横綱2大関を育てた花田氏のように、師匠としても超一流を目指していく。
貴乃花親方は午後3時すぎ、景子夫人とともに花田氏の自宅へ弔問に訪れた。遺体と対面し「安らかにされていて、りりしさがあると感じました」と、目を潤ませた。思い出を話すうち、「土俵の鬼」による弟子の育成については、尊敬の念がこもった。
貴乃花親方 関取を19人育てられたのは、なかなかまねできることではありません。栃若時代の功績とともに、それ以上にすごいことかな、と。見習うべきところ。一言一言、アドバイスをいただいた時のことを思い出して、育成を志していきたいと思います。少子化の時代、入門者数は減っていますけど、言い訳にしてはいけない。やっぱり育てないとな、と。あらためて思いました。
花田氏は、横綱2人(隆の里、2代目若乃花)、大関2人(貴ノ花、若嶋津)を育てるなど、指導者としての実績も残した。部屋を継承して6年目の若き貴乃花部屋からは、まだ関取が誕生していない。師匠としては、志半ばだ。
この日、連合げいこでは早速、熱のこもった指導をした。けいこ開始は、花田氏が亡くなった約12時間半後の午前6時すぎ。2月の日本相撲協会理事選挙に強行出馬した貴乃花親方と、追随した親方衆らによる「貴乃花グループ」に加え、激しいけいこを求めて錣山親方(元関脇寺尾)も、豊真将らを率いて訪れた。
若い衆には「関取が胸をだしているんだから、死ぬ気でやらなきゃ」と声をかけた。十両若荒雄(阿武松)が幕下力士に敗れると「あわてずに、どっしり構えていけ」とアドバイスし、落ち着きを取り戻させた。序ノ口から関取まで、すべてのけいこを終えるまで、じっくり4時間をかけた。
十両以上の関取衆が土俵に立ってからは、申し合い合計58番。引いたりはたいたりしようものなら、親方衆から容赦ない罵声(ばせい)が飛んだ。貴乃花親方は「亡くなられてしまいましたが、上から見て、いいけいこをしているなと思っていただければ…」と、天国に思いをはせた。【佐々木一郎】
[2010年9月3日8時41分 紙面から]
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