ＮＨＫが秋場所生中継を決定、放駒理事長はガッツポーズ

　ＮＨＫの福地茂雄会長（７６）は２日、東京・渋谷区の同局で行われた記者会見で、大相撲秋場所（１２日初日・両国国技館）について、生中継の再開を正式に発表した。総合、衛星第２、ラジオ第１すべてで、従来通りの形で放送されることになる。

　同局は野球賭博問題を受け、名古屋場所での中継を中止。福地会長は再開の理由を「反社会的勢力との関係を断ち切ろうとする決意と、改革への道筋を日本相撲協会が示したと受け止めた」と説明した。協会が８月３０日に行った暴力団排除宣言、更に同２０日に正式承認した暴力団等排除対策委員会の設置などを評価。放駒理事長（元大関・魁傑）らが、福地会長の元を訪れ、直接再開を要望したことも大きかった。

　また同会長は「中継を楽しみにしている視聴者もたくさんいることを総合的に判断した。視聴者からは一定の理解が得られると思う」との見通しを示した。一方で、新たな問題が発覚した場合、場所中でも中継中止を辞さない構えを見せた。名古屋場所では協会が辞退した外部表彰も再開する予定。ＮＨＫの中継再開も決まり、ようやく本場所の元の姿を取り戻すことになる。

　放駒理事長は、ＮＨＫの会見開始約１０分前の午後２時５０分頃に、福地会長から再開決定の連絡を受けたという。両国国技館で会見した同理事長は「非常にありがたい。ホッとした気持ち」と安どの表情を浮かべた。会見に同席した二所ノ関広報部長（元関脇・金剛）は「決まったとき、理事長は涙を浮かべて『やったー』とガッツポーズしていた。私も涙ぐんだ」と口もなめらかだった。