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押尾被告裁判 弁護側冒頭陳述要旨 予断や偏見捨てる必要がる

 【最初に】

 裁判員も報道に接しているが、予断や偏見を一切捨てる必要がある。裁判で見聞きする証拠で判断し、合理的な疑いがあれば、自信を持って無罪と言ってほしい。

 【MDMA譲渡】

 被告が知人から譲り受けたのはMDMA約10錠ではなく、粉末。この知人は薬物事件の前科があり、起訴されれば実刑が確実だったため、捜査官に迎合した供述をした。

 田中さんがのんだのは、被告が渡したものではなく、田中さんが持参したMDMA。「来たらすぐいる?」「いるっ」というメールは愛情表現。その後、田中さんは「新作の上物の薬を持って行くから楽しみにしていてね」と電話している。

 田中さんは違法薬物を自ら入手できた。自宅からコカインや吸引道具が見つかったほか、暴力団組長らと親密な交際をしていた。田中さんが持参した残りの錠剤は、被告が知人に処分を頼んだ。

 【救命可能性】

 田中さんは持参した薬物を自発的にのんでおり、被告は保護責任者ではない。田中さんの様子がおかしくなってから死亡まで数分で、被告は人工呼吸や心臓マッサージで蘇生の試みをしており、放置・遺棄していない。

 田中さんのMDMA血中濃度は極めて高く、急激に悪化した。119番通報から、救急車で病院に搬送するまで平均約40分。通報しても救命可能性は極めて低かった。

 田中さんが(検察側主張の)午後6時47分よりも前に死亡したことを、被告は明確に電話している。友人に「あきらめずに蘇生しろ」と言われ、47分からも心臓マッサージを再開している。検察側は実験結果から、119番通報から病院搬送まで19〜22分としているが、平均データの40分を重視すべきだ。

 被告は、正確な時間経過の認識がない。部屋には時計がなく、腕時計もしていない。田中さんが独り言を言い、死亡するまで数〜10分ぐらい。人工呼吸をして、しばらくぼうぜん自失となり、その後、知人に電話した。

 被告の供述調書は、長時間にわたる威圧的な取り調べによる検察側ストーリーの押しつけで、証拠にできない。

 保護責任者遺棄致死の成否は、死亡までの被告の行動で判断するもので、死亡後の行動は判断の対象としてはならない。

 【別の合成麻薬】

 検察側は、被告が米国で購入し、事務所社員に持ち込ませたとしているが、違う。知人から日本でもらった。

 【量刑意見】

 執行猶予中の犯行ではなく、被告の薬物との親和性については、前回の裁判の量刑に反映済み。マスコミ報道などで社会的信用は失墜した。MDMA譲渡と保護責任者遺棄致死は無罪。罪を認めた部分について、執行猶予付き判決が適当。

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┃  =ルビ情報=



▽蘇生(そせい)



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Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年09月03日 19:04 ]

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