民主党代表選に立候補した菅直人首相と小沢一郎前幹事長は2日午後、日本記者クラブ主催の公開討論会に臨み、「政治とカネ」や2011年度予算などをめぐり応酬した。小沢氏は、自らの資金管理団体の政治資金規正法違反事件で、代表選後とみられる東京第5検察審査会の2度目の議決で再び「起訴相当」となった場合の対応について、「逃げません」と述べ、訴追に応じる姿勢を示した。一方、首相は11年度の予算編成に関し「雇用拡大につながるものに優先的に付ける」と表明した。
検察審査会が再び起訴相当とすれば、小沢氏は強制起訴される。ただ、憲法75条は国務大臣は首相の同意がなければ訴追されないと規定。小沢氏の出馬は「訴追逃れ」との見方も出ていたが、これを否定した形だ。
ただ、小沢氏は、政治倫理審査会など国会での説明には「忌避しているわけではないが、強制的な捜査の結果、何の不正もない」と消極姿勢を示した。これに対し、首相は「国民の常識が国会でも受け入れられなければならない」とけん制。小沢氏の政治手法についても「お金と数の原理が色濃くある」と非難し、「古い政治を変える」と述べた。
小沢氏は菅内閣が進める11年度予算編成作業について「(概算要求基準での)一律10%カットでは、自民党政権と同じ結果しか出てこない」として、政治主導が実現されていないと強調。首相は「政治主導になったかは、予算編成が終わったところで評価されるべきだ。個々のプロセスで評価するのは『木を見て森を見ず』だ」と反論した。