流通の二重構造
ブラジルには、ミニショッピングという業態の小売がある。ビルの中を小さく区切って店を作って販売するもので、電気製品、パソコン、服飾品、自然食品などさまざまなものが売られてている。
中でも一番強いのが、パソコンやそのアクセササリー、携帯電話、デジタルカメラなどである。一般の小売店やネット販売よりも安く買える。30%くらい安いんではないだろうか。物によっては半額ぐらいのものもある。ほとんどすべて輸入品で、パソコンを含めて国産のものはない。これはいわばブラジルの裏の流通といえるものだが、実施は裏というより、一般的な身近なものとなっている。僕なんかとってもパソコン関係の小物を買うときには不可欠な存在だ。
それを仕切っているのは中国人だ。ブラジル人の業者はマイノリティ。売っているものがどこも似通っているので、大きい胴元がいてそれを卸しているか、独立店のように見せて実際はいくつかのグループが商売をしているのかもしれない。売り手はまともにポルトガル語が話せないのが大部分だけど、そんなのお構いなしで堂々と客商売をしているのは、モノとその値段だけの関係だけの商売だからできる芸当だ。
偽物、不良品、保証なしと心配する人もいるけど、僕の経験では動かないものをつかまされたことはないし、カードの番号を盗まれたこともない。メーカーの保証書などはないけど、店が独自の紙をくれて半年くらいは保証してくれる。
そんなに安値で売れるなら、大成長して巨大グループができるだろうというのは間違いで、企業など購買を経費として計上しなければならない買い手は使えない。なぜなら会計上処理に必要なNota Fiscal(売上伝票)をもらうことができないからである。個人では関係ないだろうといっても、そんな大規模な脱税を認めるほどブラジルの税務署は甘くない。だから大きくなれないし、なろうともしない。
ブラジルは脱税を防ぐために物、サービスなんでもお金と仕事・製品が動くときNota Fiscalが必要となる。店が伝票を発行するということは、税務局がそのお金と仕事の動きを把握するということで、結果として税金が発生する。この伝票はかつては紙で、まぁごまかす方法も存在したが、現在では、すでにほぼ全部の業種で電子伝票が義務づけられ、がっちりと把握される。
この国ではこの税金というのが半端ではないので、もし税金なしでの取引ができれば、その分最終価格は安くなるのは当然。リーマンショックのとき政府が真っ先に使った刺激策は、車と電化製品の工業税をゼロにしたことである(車によって3.5〜7%)。車と家電は裾野の広い業界だから、その効果はたしかにあった。因みにその他の刺激策は銀行の中央銀行への保証積立金の減額と、利子を下げたこと。
税金にはその他、サービス流通税(ICMS)、法人税がある。厳密にいうともっとたくさんの種類がある。
さてこのミニショッピング、伝票をださないので税金を「自主免除」して商いをしている。輸入税の方はどうなっているか知らなけいど、たまに中国人の大物の業者が摘発されたりするから、そこにも「工夫」が施されているのだろう。
当然ミニショッピングという業態は違法で、実際、税務局の摘発がしょっちゅうあるのだが、これがなくならない。それも当然で電化製品へのアクセスをはじめたCクラス、Dクラスが一般のシッピングセンターの店で、同じスペックのものを高く買うわけがない。大衆家電店チェーンも安きなってきたが、さすがにミニショッピングにはかなわない。大型チェーンが勝てるシチュエーションは、分割払いのときである。10回、12回、最近では18回なんていう長期ローンでテレビやパソコンが販売されている。これはミニショッピングの業者は真似できない。クレジットカードも使えないことが多く、せいぜいデビットカードで払わせてくれるくらいだ。
企業家が求める税制改革を政府が実現するまでこの流通の二重化、あるいは住み分けは続くだろう。正規のルートで販売されるものが、先進国並みに下がるまで続くだろう。ブラジルの消費市場は巨大な胃袋だが、食道にはいくつもの経路がある。
ブラジルには、ミニショッピングという業態の小売がある。ビルの中を小さく区切って店を作って販売するもので、電気製品、パソコン、服飾品、自然食品などさまざまなものが売られてている。
中でも一番強いのが、パソコンやそのアクセササリー、携帯電話、デジタルカメラなどである。一般の小売店やネット販売よりも安く買える。30%くらい安いんではないだろうか。物によっては半額ぐらいのものもある。ほとんどすべて輸入品で、パソコンを含めて国産のものはない。これはいわばブラジルの裏の流通といえるものだが、実施は裏というより、一般的な身近なものとなっている。僕なんかとってもパソコン関係の小物を買うときには不可欠な存在だ。
それを仕切っているのは中国人だ。ブラジル人の業者はマイノリティ。売っているものがどこも似通っているので、大きい胴元がいてそれを卸しているか、独立店のように見せて実際はいくつかのグループが商売をしているのかもしれない。売り手はまともにポルトガル語が話せないのが大部分だけど、そんなのお構いなしで堂々と客商売をしているのは、モノとその値段だけの関係だけの商売だからできる芸当だ。
偽物、不良品、保証なしと心配する人もいるけど、僕の経験では動かないものをつかまされたことはないし、カードの番号を盗まれたこともない。メーカーの保証書などはないけど、店が独自の紙をくれて半年くらいは保証してくれる。
そんなに安値で売れるなら、大成長して巨大グループができるだろうというのは間違いで、企業など購買を経費として計上しなければならない買い手は使えない。なぜなら会計上処理に必要なNota Fiscal(売上伝票)をもらうことができないからである。個人では関係ないだろうといっても、そんな大規模な脱税を認めるほどブラジルの税務署は甘くない。だから大きくなれないし、なろうともしない。
ブラジルは脱税を防ぐために物、サービスなんでもお金と仕事・製品が動くときNota Fiscalが必要となる。店が伝票を発行するということは、税務局がそのお金と仕事の動きを把握するということで、結果として税金が発生する。この伝票はかつては紙で、まぁごまかす方法も存在したが、現在では、すでにほぼ全部の業種で電子伝票が義務づけられ、がっちりと把握される。
この国ではこの税金というのが半端ではないので、もし税金なしでの取引ができれば、その分最終価格は安くなるのは当然。リーマンショックのとき政府が真っ先に使った刺激策は、車と電化製品の工業税をゼロにしたことである(車によって3.5〜7%)。車と家電は裾野の広い業界だから、その効果はたしかにあった。因みにその他の刺激策は銀行の中央銀行への保証積立金の減額と、利子を下げたこと。
税金にはその他、サービス流通税(ICMS)、法人税がある。厳密にいうともっとたくさんの種類がある。
さてこのミニショッピング、伝票をださないので税金を「自主免除」して商いをしている。輸入税の方はどうなっているか知らなけいど、たまに中国人の大物の業者が摘発されたりするから、そこにも「工夫」が施されているのだろう。
当然ミニショッピングという業態は違法で、実際、税務局の摘発がしょっちゅうあるのだが、これがなくならない。それも当然で電化製品へのアクセスをはじめたCクラス、Dクラスが一般のシッピングセンターの店で、同じスペックのものを高く買うわけがない。大衆家電店チェーンも安きなってきたが、さすがにミニショッピングにはかなわない。大型チェーンが勝てるシチュエーションは、分割払いのときである。10回、12回、最近では18回なんていう長期ローンでテレビやパソコンが販売されている。これはミニショッピングの業者は真似できない。クレジットカードも使えないことが多く、せいぜいデビットカードで払わせてくれるくらいだ。
企業家が求める税制改革を政府が実現するまでこの流通の二重化、あるいは住み分けは続くだろう。正規のルートで販売されるものが、先進国並みに下がるまで続くだろう。ブラジルの消費市場は巨大な胃袋だが、食道にはいくつもの経路がある。