県内の病院(精神科病院を除く)のうち、医師数が「標準医師数」を満たしているのは09年度は57院中41院(71・9%)で、前年度の40院(70・2%)よりわずかに改善した。ただし、このうち市町村立病院は20院中12院(60・0%)にとどまり、前年度の13院(65・0%)より悪化した。船田孝夫県地域医療対策課長は「市町村立病院は依然、深刻な状況が続いている」と説明している。
標準医師数は医療法に基づき、患者数に応じて定められている。
地域別では、置賜が13院中6院で46・2%(前年度61・5%)と最も低く、庄内71・4%(同64・3%)▽最上75・0%(同75・0%)▽村山84・6%(同76・9%)--と続いた。市町村立病院のうち、05年以降に出産を取り扱わなくなった病院は3カ所で、小児科の看板を掲げながら小児科医のいない病院は4カ所に上った。
一方、国は深刻な医師不足を受けて、地域ごとに必要な医師数の実態調査に初めて乗りだした。船田課長は「国の数字を精査し、医師不足対策に生かしたい。勤務医の環境整備や県内定着促進を進める」と話している。【林奈緒美】
毎日新聞 2010年9月3日 地方版