iPodが独走状態の携帯型HDDオーディオプレーヤーに、強力な対抗馬が表れた。東芝の「gigabeat G20」(10月上旬発売予定、予想実売価格5万円前後)は、同社が世界最小・最軽量とうたうHDD搭載の携帯オーディオプレーヤー。昨年6月発売の「GIGABEAT MEG50JS」(レビューはこちら)の兄弟機としての位置づけだが、ほとんど面影を残さないほど改良が加えられている。試作機を試すことができたので、早速リポートしたい。

●MDプレーヤー並みの小型・軽量ボディ

 まずは、本体をチェックしてみよう。なんといっても驚かされるのが、その小型・軽量のボディだ。重さはたったの138gで、とても20GBものHDDが入っているとは思えない。一見するとMDプレーヤーにしか見えない外観だ。胸のポケットに入れても、気にならない大きさ、重さといえる。

 デザインも洗練されている。iPod対抗と言えるHDD搭載オーディオプレーヤーは、初代GIGABEAT(MEG50JS)を始め、クリエイティブメディア「NOMAD Zen」や、iRiver「iHP-100」など、どちらかというと無骨な印象のモノが多かった。それらが「周辺機器」的な雰囲気だったのに比べ、この新gigabeatは「AV機器」然としている。単純に、カッコいいと思わせるデザインである。

 なお、製品名の表記も、従来の「GIGABEAT」から、すべて小文字の「gigabeat」に変更された。こちらのほうが、確かに今回のデザインに合っている。

 手持ちの15GB版iPod(レビューはこちら)と大きさを比較してみたが、横幅こそiPodのほうが狭いものの、それ以外の部分ではgigabeatがすべて勝っていた。重さもiPodの158gよりも20g軽い。この20gの差は意外に大きく、まったく違うジャンルの製品に思えるほどだ。

15GB版の新iPod(右)と比較。横幅はiPodのほうが狭いものの、それ以外の部分ではgigabeatのほうが小さい。重さも15GB版のiPodが158gなのに対して、gigabeatは138gと20g軽い

 実際に手に持った感触だが、横幅が少し広く、本体が角張っているため、フィット感はもうひとつ。それでもこの軽さのため、使いにくい印象は受けない。


手に持ったところ。MDプレーヤーにしか見えないサイズだが、この中に20GBのHDDを内蔵している

 操作ボタンは、本体左側面に集中している。メインとなるのが、真ん中にある「ジョグスイッチ」だ。このボタンは、長押しすることで、本体の電源オン/オフ、通常のプッシュで再生/一時停止、ボタンの上下で、曲戻し/巻き戻し、曲送り/早送りに対応するなど、操作の要となっている。しかし、ボタンが奥まった位置にあるために、ちょっと押しにくい。誤動作を防ぐ目的もあるのだろうが、操作感をだいぶ損なっている印象がある。ぜひ改善していただきたい点だ。

本体左側面にボタン類が集中。右から、「メニュー」ボタン、「ボリューム(+)」ボタン、電源オン/オフ、再生/一時停止などに対応する「ジョグスイッチ」、「ボリューム(−)」ボタン、USBコネクター、ACアダプター

付属するリモコンは、従来と同じデザイン。液晶ディスプレイなどは搭載しないシンプルな作り

 リモコンは、従来機とほとんど変わらない。液晶なしのシンプルな作りだ。もっとも、本体がこれだけ軽くなったため、本体をカバンなどに入れず、服のポケットに入れて利用することも十分可能だ。となると、リモコンを利用せず、本体の液晶を見ながら直接操作しても問題なさそうだ。



●WMP9から転送が可能に

 続いて、音楽データの転送をチェックしてみよう。