打撃投手はイヤ　元中日左腕「死ぬまで野球をやれれば幸せです」

＜ヤマハ・三菱重工名古屋＞三菱重工名古屋・菊地は、５回途中から登板し３回１／３を無失点の好投 Photo By スポニチ

　【三菱重工名古屋２―７ヤマハ】昨年５月８日の巨人戦以来、約１年４カ月ぶりとなる東京ドームの三塁側ブルペン。三菱重工名古屋の菊地は、思わず「懐かしいな」とつぶやき、キャッチボールを始めた。

　０６年の大学・社会人ドラフトで４巡目指名を受け中日入り。左の中継ぎとして１軍で１３試合に登板したが、昨季終了後に戦力外通告を受けた。まだ２５歳だった。「野球をやめようとは思わなかったですね。打撃投手のお話はいただいたんですが、ただ“打ってください”という感じで投げるのは悔しいと思ったので」

　担当スカウトの紹介もあり、三菱重工名古屋入りを決意。０６年まで在籍していた東邦ガス時代以来、４年ぶりに社会人野球に復帰した。菊地にとっては最初に入社した三菱自動車岡崎以来、３チーム目の社会人チーム。「やっぱり一発勝負のだいご味が社会人にはありますね」と話す。

　この日は５回途中から登板。３回１／３を投げ無失点に抑えたが、チームは２―７で敗れた。それは１年間かけて都市対抗を目指す戦いが、また始まることを意味する。「とにかく長く野球をやること。死ぬまで野球をやれれば幸せです」。社会人野球にはこんな選手もいる。

　◆菊地　正法（きくち・まさのり）１９８４年（昭５９）９月９日、静岡県生まれの２５歳。富士宮東から三菱自動車岡崎―東邦ガスを経て０７年に中日入り。プロ３年間の通算成績は１３試合に登板し０勝０敗、防御率は３・９５。１メートル７７、８２キロ。左投げ左打ち。 【試合結果】

[ 2010年09月03日 06:53 ]