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[ICON]大前研一「ニュースの視点」

戦略不在の日本〜他国の”戦略的な”通商交渉、観光振興、徴兵制度から学べること

大前研一

提供:大前研一「ニュースの視点」

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それは都市鉱山と呼ばれているような既存製品に利用されているレアメタルです。

極論すれば、秋葉原にあるレアメタルの量は世界に匹敵するのではないかと言われるほどです。

例えば来年地上デジタル放送に切り替わることで真空管方式のテレビは不要になりますが、テレビにはイットリウムが大量に使用されています。

こうしたものを回収し、再利用する手立てを考えれば、日本国内だけでも相当量のレアメタルが補えるはずです。全く別の手段として、レアメタルを使わずにプラスチックで代用する方法を考えることもできるでしょう。

こうした状況を踏まえて、中国あるいはその他の産出国に対してアプローチを考えていくべきです。

焦って戦略も戦術もないままに、ただ「譲って下さい」と頼んでいる日本の大臣の姿は惨めだと言わざるを得ません。私はこの問題が大きくなってしまう可能性は低いと思います。

台湾で同じテーマで議論したときには、殆どの台湾人は「商談と絡めて行けば何の問題もなく調達できる」と答えていましたが、同感です。日本も台湾に歩調をあわせていけば良いと私は思っています。

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▼観光業の振興にも戦略が必要
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中国で開かれた日中韓観光相会合が、23日共同声明を採択し、閉幕しました。

声明には3カ国を相互に訪問する旅行者の数を2015年に2600万人に拡大する目標などが盛り込まれました。前原誠司国土交通相は「経済効果はもちろん、3カ国の平和共存や絆の強化にもつながる」との見解を示したとのことです。

観光業というのは自動車産業を凌ぐ世界で最も大きな産業であり、ここを軽視するべきではありません。いかに外国人が訪問したときに、お金を落としたくなる施設を作るかを真剣に考えるべきだと思います。

日本は「安全・安心」という点で優位性があり、富士山など魅力のある場所も抱えていますが、魅力のあるモノが少ないと私は思います。今こそ、それを作る絶好のタイミングです。

今年の中国から日本への訪問者数は、昨年から倍増して200万人を超えると思います。しかし日本はそのための準備が全く出来ていません。なぜここに戦略的な考え方を持ち込めていないのか、非常に残念です。

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▼「徴兵制度」から考える「あるべき国民像」
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日本が国家としての戦略を持つと考えたとき、私は予てから「徴兵制度」の導入を検討するべきだと述べてきました。

ドイツの連立与党内で成人男性に6カ月間の高齢者介護などの社会福祉活動を義務付けている制度を存続させるかどうかが争点に浮上しています。

徴兵制度のあるドイツでは連邦軍での勤務を拒否した場合は、その代替措置として社会福祉活動に携わる必要がありますが、独政府が徴兵制を凍結する検討に着手したため、福祉国家を支える社会奉仕活動も揺らいでいるとのことです。日本でもこのような議論を積極的に展開して欲しいと私は思います。
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大前研一「ニュースの視点」

大前研一

経営コンサルタントであり、平成維新の会後の特定非営利法人「一新塾」創立者。株式会社大前・アンド・アソシエーツ代表取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役、ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長。

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