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韓国:農家、コメ余り「北朝鮮支援再開を」

 【ソウル西脇真一】韓国海軍哨戒艦天安(チョンアン)沈没事件を受け、厳しい対北朝鮮政策をとる韓国で、李明博(イミョンバク)政権発足以降、封印してきた北朝鮮へのコメ支援再開を求める声が上がっている。「対決局面打開の突破口に」という大義名分に加え、余剰米対策という一石二鳥の効果が期待されているからだ。コメ余りで価格も低下しており、再開を願う農家は多い。

 韓国では食生活の変化などから国民1人当たりの年間コメ消費量がこの10年間で20キロ以上減り、現在は約72キロ。一方、最近は作柄も良くコメ余りが続く。

 韓国農村経済研究院は今年10月時点の余剰米を149万トンと予想。倉庫の保管料も無視できず、年間4660億ウォン(約332億円)かかるという。

 同研究院が1日に発表した資料では、昨年の収穫期にコメの市場価格は80キロ当たり約14万3000ウォン(約1万200円)だったが、今年8月下旬は約13万ウォンに下落している。

 金大中(キムデジュン)、盧武鉉(ノムヒョン)政権時代は北朝鮮にコメの大規模支援を実施してきたが、国内産米でまかなってきた経緯がある。

 さらに、極度に緊張した南北関係の改善や、今夏に発生した北朝鮮の水害に対する「人道支援」の必要性もあり、与党ハンナラ党内からも「コメ支援を検討すべきだ」との意見が上がっている。コメどころ全羅南道のある農家の女性(64)は「利益が出ず、もう米農家をやめたいぐらい。コメ余り解消のため、支援には全面的に賛成する」と話している。

毎日新聞 2010年9月3日 東京朝刊

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