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ページ更新時間:2010年09月02日(木) 21時05分
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■ 韓国に残る「呪いの杭」伝説とは
韓国併合から100年。韓国では日本の植民地時代にまつわる一種の都市伝説が今も語り継がれています。その名も「呪いの杭」です。荒唐無稽にしか思えないストーリーの背景には一体、何があるのでしょうか。
去年の8月15日、ソウル郊外で1本の鉄の杭が地中から引き抜かれました。穴はきちんと埋め戻され、清めの儀式も。 「子どもたちのために必ず杭はなくならなくてはならない」(ヨジュ郡の住民) 今年に現地を訪れると、公式の案内板が立てられていました。そこには・・・ 「日本帝国主義による強制占領の時期、日本人は我々民族の精気を抹殺し、我が国を永久に植民地とするため、この地に“鉄の杭”を打ち込んだ」 「呪いの杭」伝説。「植民地時代、日本が朝鮮民族支配のため、風水をもとに杭を打ち込んだ」、韓国に今も存在する一種の都市伝説ですが、こうした杭の存在がまじめに報じられたこともあります。 「ソウル・ケファ山で2メートルを超す木の杭が発見されました。ケファ山は風水上の要所で、日本が風水侵略の一環として打ち込んだのではとの分析が出ています」(韓国・KBSニュース〔07年5月29日放送〕) 25年にわたり「呪いの杭」を探しては引き抜く活動をしている人物を訪ねました。反日感情むき出しの人物と思いきや気さくな研究者でした。 「私がかかわって引き抜いた杭は300余り。(鉄杭だけでなく)石や木やセメントの杭もありました」(民族精気宣揚会・ソ・ユンハ会長) ソ会長が杭に関心を持ったきっかけは、25年前にある老婆から聞いた、こんな話でした。 「おばあさんの舅(しゅうと)が杭を打ち込んだと言うのです。日本人に連れて行かれて打ち込んだと言うのです」(民族精気宣揚会・ソ・ユンハ会長) ソ会長とともに杭が見つかったソウル近郊の山に入りました。この岩場に鉄の杭がいくつも打ち込まれていたといいます。ここが子宝に恵まれるよう祈る民間信仰の場だったことから、地元では杭が打たれた理由について、まことしやかにこう伝えられています。 「日本人がここに鉄杭を打ち込んだのは、この土地に暮らしている人々の中から立派な人物が生まれないようにするためだと言い伝えられています」(民族精気宣揚会・ソ・ユンハ会長) とはいえ、この「呪いの杭」伝説、韓国でも専門家の間では懐疑的な意見の方が多い。 「測量のためだったこともあり得ます」(セジョン大学・パク・ユハ教授) 一方、パク教授は、この荒唐無稽とも言える話が今もって韓国に存在する背景を、こう分析しました。 「実際の目的とは関係なしに(植民地時代)当時の人が感じた被害意識、あるいは抑圧意識が『杭』のような形で信じられるようになったと考えます」(セジョン大学・パク・ユハ教授) 風水に基づいて建設された首都・ソウルで、日本は占領時代、支配の象徴・朝鮮総督府をまるで杭を打つように王宮の中に建設しました。日本支配が風水に結びつけられる一因がここにあるのかもしれません。(02日18:11)
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