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力也、生体肝移植成功…42時間大手術

 安岡力也(右)と長男の力斗氏
 安岡力也(右)と長男の力斗氏

 俳優・安岡力也(64)の生体肝移植手術が都内の病院で無事に成功したと1日、所属事務所が発表した。力也は肝細胞がんなどで肝臓が肥大化したため、長男・力斗氏(24)が肝臓の約64%を提供。同日未明に終了した手術は42時間にも及んだという。力斗氏の術後の容体は安定しており、2週間程度で退院の見込み。力也は今後1週間は感染症、合併症などの恐れがあり予断を許さない状況が続くというものの、最初の難関はクリアした。

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 力也の手術は8月30日午前8時から1日午前2時まで、42時間に及ぶ大手術となった。関係者によると、力也が手術を受けた日本赤十字社医療センターで最も長い手術だったという。

 生体肝移植の手術は、早い人で15時間程度。だが、力也は多発性肝のう胞症に加え、肝硬変、肝細胞がんを併発し、肝臓が肥大化。05年に最初に肝のう胞に手術を受けて以降、3度も手術を受けていた。肥大化と度重なる手術で、肝臓は体内で癒着。医師からは事前に50時間に及ぶ場合もあると宣告されていた。

 42時間のうち、30時間は肝臓の摘出にかかった。肝臓は普通の人で1・5キロほどだが、力也から摘出した肝臓は5倍以上の8キロだったという。

 長男の力斗氏は30日の午前10時に手術室に入り、摘出手術は同時に進行。27時間後の31日午後1時までに肝臓の64%を摘出した。力也の肝臓摘出が終了したのが同日午後2時。そこから12時間かけて、力斗氏の肝臓が移植された。

 力也の術後の経過は順調だが、今後1週間は感染症や合併症の恐れがあり、予断を許さない状態が続くという。順調でも、今後1カ月は集中治療室で、その後も2カ月は入院治療が必要。しかし、医師から肝臓移植しないと生命の危機に陥ると宣告され、親子で臨んだ移植手術はひとまず成功を収めた。

 所属事務所は「一日も早く元気な姿をお見せできるよう、回復に努めさせていただきます」とし、今後の活動については本人の容体が安定してから改めて発表するという。

 日本移植学会が02年にまとめたデータによると、国内で生体肝移植を受けた人の5年生存率は76%。米国の同様の統計でも74%となっている。

(2010年9月2日)





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