自宅に戻った花田勝冶さんの遺体=東京・杉並区(撮影・西岡 正)
1日に亡くなった花田勝治氏のおいにあたる、貴乃花親方(38)=元横綱貴乃花=が、遺志の継承を誓った。
協会を通じて「協会にとっても惜しい方を亡くしてしまって残念に思います。残されたわれわれ協会員が伯父の遺志を継承していくべきと、あらためて思いました」とコメントを発表。角界再生、協会改革への思いを強くにじませた。
貴乃花親方が貴花田を名乗っていた92年初場所。東前頭2枚目で初優勝を果たした際に、千秋楽の表彰式で当時、二子山親方として理事長を務めていた勝治さんから直接、賜杯を手渡された。相撲一家・花田家の伝統を自らの手で引き継いできた。
勝治さんの存在の大きさについては「私にとっては雲の上の存在で、年一度の正月のあいさつで緊張したことを思い出します」と懐かしんだ。勝治さんは理事長時代に待ったに制裁金を科し、立ち合いの正常化と土俵の充実を追求した。くしくも貴乃花親方には秋場所から審判部長として、土俵の番人としての仕事が待っている。
「昭和の横綱というか、歴史の象徴を失った気持ちです」と、コメントはまとめられている。秋場所は、偉大な伯父の遺志を体現する最初の場所。秋場所(12日初日、両国国技館)を前に、2日には間垣部屋で貴乃花グループの連合げいこが行われる。
(2010年9月1日)