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安岡力也、生体肝移植手術成功!医師8人がかりで42時間

長男・力斗さん(左)の肝臓から生体肝移植を受けた安岡力也

 俳優の安岡力也(63)が、長男で付き人の力斗さん(24)の肝臓を移植する生体肝移植の手術を受け1日未明、無事終了した。東京・広尾の日赤医療センターで8月30日朝から約42時間に及んだ大手術は成功。合併症など今後も予断を許さない状況だが、手術は肝臓外科の世界的権威の医師らが行い、同病院の生体肝移植で最長の手術時間だった。

 3日がかりの大手術だった。力也の所属事務所によると、肝細胞がんやC型肝硬変治療のための生体肝移植手術は、8月30日午前8時に始まった。力也は肝臓を全摘出、力斗さんの肝臓の64%を移植し、約42時間後の1日午前2時に終了した。

 現在、2人は別々の集中治療室(ICU)で治療中。力也は1か月をメドに一般病棟へ移る見込みだが、今後1週間は感染症・合併症の恐れがあり、予断を許さない状況という。麻酔から目を覚ますのは2日の見込み。また、約27時間の手術を終えた力斗さんの容体は安定しており2日にも一般病棟へ移り、2週間後に退院予定という。

 日赤医療センターでは昨年3月から全14例の生体肝移植を行い、これまで全員が生存し100%の成功率を誇る。過去13例と同じく、肝臓がんや生体肝移植の世界的権威でNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演した幕内雅敏院長ら8人の医師によるチームを編成。同チームの尾形哲医師は「42時間は、これまでで最長。疾患によっては長くかかり、今回は特例です」と肝細胞がん、肝硬変、胆のう胞などを併発していたことが42時間もの大手術に及んだ要因とした。また、手術では体の負担を考えて臓器提供者の肝臓の35%を残すことにしており、力斗さんの64%もの肝臓提供は“最大”のものだった。

 2人家族の息子と体を分け合った力也だが、2006年に発症した難病のギラン・バレー症候群から今年5月に仕事復帰したばかり。3か月後の退院を目指し所属事務所では「早く良くなってほしい、という一心です」と話す。術後の経過や今後の活動は、力也の容体が安定してから改めて報告される。

 ◆生体肝移植 国内では1989年に始まり、5000例を超えた。臓器提供者の条件は、成人で患者と血縁関係または夫婦、提供の意思があることなど。患者は術後、感染症や拒絶反応を起こすことがあり一生、免疫抑制剤の服用が必要。臓器提供者も、術後に合併症を起こす可能性などリスクを伴う。2002年には肝硬変の自民党・河野洋平衆院議員(当時)が、長男の太郎衆院議員から15時間の手術で肝臓の3分の1の提供を受けた。欧米では脳死肝移植が主流。

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(2010年9月2日06時04分  スポーツ報知)

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