詐欺の疑いで山口組最高幹部ら９人逮捕

　指定暴力団山口組直系組長らの神戸市内の滞在拠点となるマンションを無免許で繰り返し売買したなどとして、兵庫県警暴力団対策課は２日、宅地建物取引業法違反や詐欺の疑いで、山口組の若頭補佐で山健組組長井上邦雄容疑者（６２）ら９人を逮捕、神戸市灘区の山口組総本部など約２０カ所を家宅捜索した。

　井上容疑者は山口組ナンバー２の高山清司若頭（６２）を支える執行部のメンバーで、最高幹部の１人。

　宅建業法違反容疑で逮捕されたのは、井上容疑者のほか山口組幹部江口健治（５７）、同森尾卯太男（５７）、同光安克明（５０）の３容疑者と不動産会社社員池本康弘容疑者（４６）の計４人。

　５人の逮捕容疑は、共謀し井上容疑者が代表取締役を務める不動産会社「東洋信用実業」（神戸市灘区）で２００８年１２月～０９年４月、神戸市のマンション４部屋を計４０００万円で購入。１０年２月に直系組長ら４人に計４３００万円で売却した疑い。

　購入した山口組系組長田中三次容疑者（５５）ら４人はマンションの管理組合費を支払うため、暴力団関係者であることを隠して銀行口座を開設したとして詐欺容疑で逮捕された。

　暴対課によると、井上容疑者は容疑を認め、池本容疑者は一部否認。ほかの７人は否認している。

　県警によると、山口組では６代目の司忍（本名篠田建市）組長（６８）が服役中のため、組織に対する忠誠心を高めようと全国に８０人余りいる直系組長に総本部へ毎日通うよう求めており、兵庫県外の組長らが神戸市内に拠点を設ける動きが広がっている。（共同）

　［2010年9月2日21時28分］