最終更新: 2010/09/02 20:01

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中東和平交渉再開 ユダヤ人の入植で平穏な生活を奪われた一家を取材しました。

中東和平に向けたイスラエルとパレスチナの直接交渉が、1年8カ月ぶりに再開されます。
イスラエルとパレスチナ双方が歩み寄れない最大の障害となっているのが入植地問題です。
入植により平穏な生活を奪われた東エルサレムのパレスチナ人一家を、岡崎寛行記者が取材しました。

東エルサレムのシルワン地区に住むナジャールさんは、17人の家族を抱え、手狭になった家を増築しようと、2002年に隣の家を買い、1つの家に改築した。
しかし、その翌年、悲劇が始まった。
元の所有者が、ナジャールさん一家に売ったあと、ユダヤ人入植者とも売買契約を交わしてしまった。
裁判所で、入植者の居住権が認められたため、家族水入らずの生活は失われた。
ナジャールさんは「イスラエル人たちは窓を割り、催涙弾を投げ込んだ。おびえながら叫んだわ」と語った。
入植者の住む部屋のすぐ下にあたる、ナジャールさんの家の1階部分に案内してもらった。
ナジャールさんは「上で入植者が穴を開けるせいで、天井から水が漏れてくるの」と語った。
また、ナジャールさんは「どこの世界に平和を望まない人がいるだろう。ただ平穏な生活がほしい」と語った。
取材中、隣に住むユダヤ人入植者が姿を見せた。
この入植者は、「今の状況をどう思う?」との問いに、無言のまま、セキュリティーが監視する中、立ち去った。
ヨルダン川西岸の入植者人口は、1996年から10年間でほぼ倍増した。
イスラエル人入植者は「交渉は期待していない。パレスチナは、本当に和平を望むという態度を示していない」と語った。
入植地建設推進派の人は「西岸がパレスチナの土地だと公式に宣言されていないから、法は犯していない」と語った。
9月末まで凍結されていたヨルダン川西岸の入植地建設も、その後は再開されるとみられ、双方の言い分は平行線のまま。
この入植地問題は、2日から始まる和平交渉のもろさをまさに象徴している。

(09/02 13:08)


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