<保護説得(拉致監禁)するかどうかは黒鳥牧師の判断>第1回拉致監禁をなくすための集い─連載第03回
今回は別表1994年5月の項の下段部分を参照してください。
司会:
はい、ありがとうございます。麻子さん、何か補足はないですか。麻子さん:
私が監禁される前というのは、父も母も、店が傾いていることにすごい不安感をもっていて、毎日毎日、店をどうやって立て直すかということばかり。私は毎日のように質問されていました。司会:
とにかく、私の状況など分かりもせず、店のことだけしか聞かないのですね。両親は、私が統一教会に入っていることを知っていても、頭が真っ白で何も分からなかった状態だったと思います。それは監禁現場でも、父母はパニックの状態のままだったと思います。だから、私に質問したり、辞めろと言ったりしてきたのは、親戚の人たちだった。
父母の会にご相談するようになった経緯は?お母さん:
これは、反対の会の本の中の後ろの方に連絡先が書いてあった。日本キリスト教団原理問題連絡会と書いてあり、そこの番号に問い合わせしたら、「何日に来るように」ということでそこに行きました。それは新宿の早稲田にある、本間テル子さんが主にやっているとこでした。そこで、私は本間先生というよりも、法政大学の駒木先生の指示で、「黒鳥先生があなたには良いでしょう」と言われました。司会:
どこにいらっしゃるかも知らなかったのですが、紹介してくださり、戸塚教会とだけ聞きました。住所も知らないで戸塚駅を降りて、いろいろ人に聞いて、最初に行った教会は、カトリックの教会でした。戸塚教会ではなく、黒鳥戸塚教会はこちらですよと言われて、歩いて訪ねていきました。
父母の会では戸塚教会を紹介されたくらいで、具体的な指導は黒鳥牧師からされていくのですか?お母さん:
そこの会(戸塚教会の勉強会)では、脱会者の方とか、まだ脱会されていない家族の方がいらっしゃって、最初のうちは自分を紹介した時に、「自分の子供はとても良い子で統一教会に入るとは思っていなかった」といったようなことを話したり、そういういろいろなことを話しているうちに、自分のことも話すようになりました。司会:
自分は子どもに何をしてきたかというと、結局、私は良い子にさせようと、塾でも何でも押しつけて、勉強しなさいとしか、言っていなかったように思います。
私は中学校しか出ていないので頭が悪いので、学校とか優秀にしなければならないと思って、すごく何でもかんでも押しつけて、子供にやらせた。この子の意見は一切聞かずに、何も聞かず、「あれやれ、これやれ」で、なりふり構わず塾に通わせていました。
学校の成績も良いときは褒めてあげればいいのに、「これでもか、これでもか」というふうに褒めもせず、もっともっとと、押し付けてやっていた。
結局、私は、この子を押しつけて、駄目にして、自分の言いなりに育ててきた。自分の物として子どもを扱っていた。それが見えてきたのですね。勉強会に参加するたびに。
戸塚教会で、お母さんはどんな指導をされたのでしょうか。相談された方の中にも、拉致監禁保護救出を決行される方もいれば、止める方もいたと聞いていますが、その違いと言いますか、どこが判断の別れ目になりますか。お母様はどの段階でやろうと思われましたか?お母さん:
私の場合は、この子が韓国の方と結婚するというので、韓国に行ってしまえばもう居場所も分からないし、今でさえも住所が分からないのに、韓国に行ったらどうなるのかと、今のうちに保護してしまわなければ、もうチャンスはないと思ったのですね。それで、路上保護をやった。司会:
(保護するかどうかは)黒鳥先生の判断で行われる。あの先生はとても厳しいですから、「あなたもう来なくて良いですよ」とストレートに言われる方ですから、ものすごく傷つきます。言われた方は。私も言われましたよ。
でも「統一教会から出して」と、こちらからお願いするわけだから、黒鳥先生に「駄目だ」と言われても、がんばってお願いを続けていったというとこですね。
麻子さんどうですか?麻子さん:
黒鳥牧師はとても非常に気性の激しい人で、嫌な人は「あの人は嫌い」とか、はっきり言う方で、嫌な人の面倒は見ない。「あなたは来週から来なくていい。来なければあなた達とは関係ないのよ」と言う感じの人でした。そのために黒鳥先生のもとで拉致監禁を諦めた人も多かったと思います 。司会:
一方では行方不明になった麻子さんを心配されて、ご家族は捜し回られる訳ですが、それについてお母様どうぞお母さん:
それから(麻子が逃げ出してから)というものは、すごく大変でした。何しろ住所も分からない、居所も分からない、ホームに戻ったと思うけれど、そこには居ないし、教えてくれない。
そうするとますます不安になって、どうして良いか分らない、何に頼れば良いのか分からなくなりました。それで戸塚教会を訪ねたということです。