11年度以降、ドクターヘリ(1機)の拠点病院を八戸市民病院(八戸市)から県立中央病院(青森市)へ移行させる問題で、県と八戸市との初協議が1日、同市民病院で開かれた。協議では拠点病院の機能を両病院が一定期間ごとに交代で務めることで合意した。これで来春からの共同運航にめどがついた。
協議には県から石岡博文健康福祉部次長、吉田茂昭県立中央病院長、市から三浦一章八戸市民病院長、今明秀同病院救命救急センター長らが出席した。
協議の結果、拠点病院を一定期間ごとに交代し、担当期間は各救命救急センターの医師が対応することになった。また、「2拠点化」により、出動要請する各地の消防本部に混乱が生じないよう、連絡窓口(ホットライン)は一本化することが決まった。
ただ、交代期間の長さについては合意に到らなかった。協議では「1週間交代では早すぎる」「3カ月など季節交代では、一方の救命救急センターのモチベーションを維持できない」などの意見も出された。今後は1カ月単位にするか、2カ月単位にするかなど期間については両救命救急センターが話し合い、10月末の県の新年度予算要求までに決める。
八戸市は一貫して県内2機体制を主張している。現在、ドクターヘリ運航をしている八戸市民病院の三浦院長は「県内は本来的に2機態勢が必要。今回の共同運航はそのための強力な資料になると思っている」と話していた。【松沢康】
毎日新聞 2010年9月2日 地方版