中国 南京に遺棄兵器処理施設
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中国 南京に遺棄兵器処理施設

9月2日 4時16分 twitterでつぶやく

戦時中に旧日本軍が中国に残した化学兵器を、廃棄処理する施設が江蘇省の南京市内に完成し、早ければ今月中にも作業が始まる見通しとなりました。

戦時中に旧日本軍が中国に残した化学兵器については、「化学兵器禁止条約」に従って日本政府が発掘作業を進め、これまでに4万8000発が回収されました。南京市内に完成した施設は、化学兵器の砲弾などをその場で爆破処理し、有毒なガスを無害化するもので、日本側が総事業費およそ35億円を負担しました。現地で行なわれた式典では、平岡秀夫内閣府副大臣が「中国での化学兵器の処理事業は、発掘・回収から廃棄という新たな段階を迎えた」と意義を強調したうえで、処理事業を加速させる方針を示しました。これに対し、中国外務省の張志軍次官は「日本が遺棄した化学兵器を1日も早く全面的、かつ、徹底的に廃棄することを希望する」と述べ、日本側に迅速な対応を求めました。施設では試運転と安全検査を経て、早ければ今月中にも保管されているおよそ3万7000本の化学兵器の廃棄作業が始まる見通しです。旧日本軍が残した化学兵器をめぐっては、中国東北部の吉林省に推定で30万発から40万発の砲弾が、ほとんど手つかずのまま残されたままです。このため日本側が「化学兵器禁止条約」で定められた、廃棄期限の2012年4月までに作業を終えるのは難しいとみられ、期限の再延長が避けられない情勢です。