前の町長が贈収賄事件で逮捕・起訴された福岡県添田町では、今月22日に町長選挙が実施されます。
辞職した山本文男前町長も出馬を表明していて、昨夜、町民が注目する中、立候補予定者3人の公開討論会が開かれました。
●添田町前町長・山本文男氏
「まだまだ未熟でございます。これからも一生懸命勉強して、皆様たちから期待されるような、そういう人間になっていきたい」
●会社員・山本文隆
「町長派とか反町長派とかいって騒いでいる場合ではない」
●添田町前副町長・寺西明男氏
「今回の混乱は、単なる事件への評価だけではなく、やはりこれまでの町政運営の体質が問われているのではないか、と」
昨夜、添田町で開かれた公開討論会で、山本文男前町長を批判した寺西明男氏。
3年あまりに渡って副町長として山本前町長を支えてきましたが、今回決別し、町長選に出馬します。
事務所開きには、これまで山本前町長を支援してきた町民も参加していました。
●寺西氏
「長いと、どうしても体質的に聞く耳を持たない、と言うと失礼かもしれないが、皆の意見が入ってこなかったのではないか」
台風が接近する中行われる、山本文男前町長の事務所開き。
今回は、かなり風当たりが強い中での戦いとなりそうです。
福岡県に台風4号が接近したおととい、山本文男前町長の事務所開きには、建物に入りきれないほどの支持者が集まりました。
●山本文男氏
「当選の自信?当選の自信がなかったら出ないですよ。落選することが分って出ますか?それを私のほうが聞きたいですね」
前町長の自信とは裏腹に、後援会幹部は危機感を募らせています。
●山本文男後援会・宮崎憲一会長
Q寺西さんの支持に回った人は?
「いますよ。けっこう多い。それはしょうがない、戦いですから」
きのうの討論会でもこれまで、およそ40年間の山本町政に対する評価がテーマに上がりました。
●山本文男氏
「現在まで、このわずかな財政で多くの仕事をしてきたと思っている」
●寺西明男氏
「今の町政が町民の意見を聞き、施策に結び付けられていないという問題点があるのではないか」
●山本文隆氏
「混乱を無くす。町民が一体となる。しがらみから抜け出す。よくよく考えてほしい」
公開討論会には町民500人が集まりました。
●傍聴した町民
「前町長は我々も良く知っているけど、新しい二人についてはまったく知らない。断片的だけど、それなりの考え方が若干分った」(男性)
「揺れる添田町が、早く立ち直ってしっかりなってもらいたいと思う」(女性)
贈収賄事件で逮捕・起訴された山本前町長は、進退について「町民の意思に従う」としながらも、リコールを求める住民投票の実施が決まった後に辞職しました。
今月17日に告示、22日に投票の添田町長選は、山本前町長が望んだ「町民の意思」を知る場となります。