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自慰行為がとまらない女子大生

週刊朝日 9月1日(水)16時1分配信

 若い男性の草食化が言われて久しいけれど、男子の草食化が深まっていくと、女子はどうなってしまうんでしょう。

 先日、お店に来たショートカットがかわいい大学2年生の女子。かなり深刻な顔で「相談があるんですけど」と声をかけてくれた。
「オナニーがとまらないんです」
 女性のマスターベーションは男性ほど市民権得ていないので、こういう悩みは少なくない。こんなときは明るく、いいじゃない? と言うのだけど、彼女はそういうんじゃないっ! と首を振るのである。

「性欲が強いのに、恋愛できないんです!!」

 話をよく聞くと、大人になったら自然にセックスできるもんだと思っていたのに、未だに男性を好きになったことがない、それっぽいことはあったけれど、どうステップを踏めばいいかわからず、自然消滅してしまう。オナニーが悪いなんて思ってはいないけど、このままオナニーばかりしていたら、もし将来セックスした時に、相手に物足りなさを感じてしまうのではないか。そんな時、彼を傷つけるのではないか。それが心配なので、刺激の弱いオナニー方法を聞きたくて、ここに来たんです!
 
 ......難しい時代になったと思う。私は彼女が何に悩んでいるのか、2回聞かなきゃわからなかった。男子が草食になったからといって、女子が自動的に肉食になるわけじゃない。女子は女子で、なんだか大変な世界に行っちゃってる。
 
 若いうちは、性欲と恋愛を取り違えて性交活動が活発化するもんで、それが楽しいもんだと思ってたけど、20代の話を聞いていると、恋愛もセックスも「気を遣うから、大変」と、ちっとも楽しそうではない。
 
 結局、彼女は小さくて振動がほとんどないバイブを一つ買っていった。ふだんは机の角に強くこすりつけているのだという。

「こういう弱いものから、練習していきます!!」
 
 複雑な気持ち。若い世代にセックスやオナニーのタブーは完全になくなっていると言ってもいいと思う。それなのに、全然自由そうじゃないのは、何故なんだろうな。

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北原みのり
1970年、神奈川県生まれ。文筆家で、女性のアダルトグッズショップ「ラブピースクラブ」代表。
■ブログ「北原みのり オンナメディアブログ」http://www.onnamedia.com/kitahara/
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最終更新:9月1日(水)16時1分

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2010年9月3日号 8月24日発行
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