贈賄の罪に問われ公判中の前町長が立候補した、福岡県添田町の出直し町長選です。
きのう投票が行われ、前の副町長の寺西明男氏が初当選しました。
およそ40年にわたり町に君臨してきた、山本前町長は敗れました。
「馬鹿にするのか、お前ら」
前町長の山本文男氏は選挙結果を聞かされた後、敗北に怒りをあらわにしました。
添田町の出直し町長選は、山本文男前町長が汚職事件で贈賄の罪に問われ辞職したことに伴って実施されました。
3人が立候補し選挙戦になったのは15年ぶりで、当選したのは前・副町長の寺西明男氏でした。
これまで3年半にわたって支えてきた山本前町長と袂をわかっての出馬でした。
「40年続いた行政体質は変えていかないといけない。添田町をイメージを変えていかないといけない。町民の良識が示されたものだと思います」
「40年間町長を務めてまいりましたが、こういう結果になったのは私の不徳のいたすところです」
落選した山本・前町長の支持者へのあいさつはわずか2分、報道陣の質問は受けずに選挙事務所を後にしました。
「この添田町で絶大な力を持つと恐れられてきた山本前町長が再選を阻まれたのは、一体なぜだったのでしょうか?」
「ワンマンだった」
「良かったか悪かったか分かりませんが長すぎた」
「新しい人に」
10期およそ40年にわたり町に君臨してきた山本氏については選挙期間中、支持者からも高齢、多選への批判の声が聞かれました。
「若い人には伝わらなかった」
後援会幹部は敗戦の最大の要因が、町村会を舞台にした汚職事件であることを山本前町長本人も自覚していたといいます。
「汚職の問題が一番大きな問題だっただろうと言っていた」
また、山本前町長のいわゆる、ハコモノ行政への批判もあります。
全国町村会の会長を務めるなど、国との太いパイプを誇った山本文男前町長は、炭鉱閉山後、添田町の人口が減少していく中、トップダウンで町に維持管理費がかかるハコモノ、公共施設を数多く建ててきました。
「ケーブルカーを作るだけの金は持っている。貯めてきた。補助金や助成金を使えば良い」
今回の町長選挙でも公約に木材を活用した発電所の建設や、英彦山の山頂までつなぐ新たなケーブルカーの設置を掲げました。
「ハコモノはいらない。無駄。」
高齢、多選によるワンマン、そして汚職事件。
こうしたことを背景に、これまで山本前町長を支援していた人が、他の陣営に姿を見せるようになりました。
対照的な政策を訴えたのが、当選した前の副町長の寺西明男氏です。
「これまで永年一人の主導で進められ、職員はアシスタントでしかなかったいう風な反省も含め。」
「今回の混乱は単なる事件への評価だけではなく、やはりこれまでの町政運営の体質が問われている」
けさ、町の職員に拍手で迎えられた寺西明男新町長。
町の職員と町民がそれぞれ責任を持つ、町民参加型の新たな町づくりを進めたいと呼びかけました。
「一部町民の声だけを聞いてやったもの、そういう体質は引き継がない」
山本前町長が逮捕されてから半年にわたって混乱した添田町。
リコール運動や選挙で対立が続いた町を正常化できるのか、新町長としての手腕が問われます。
また、一方で町民の厳しい審判を受けた山本前町長は、次は、贈賄事件について司法の審判が下されます。