現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

保健室でホメオパシー 沖縄の養護教諭、生徒に砂糖玉(1/2ページ)

2010年9月2日5時4分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 沖縄県名護市の公立中学校の養護教諭が5年以上前から、保護者や校長、校医の了解を得ずに、民間療法「ホメオパシー」で使う「レメディー」という砂糖玉を、保健室で生徒に日常的に渡していたことがわかった。複数の生徒や卒業生によると、教諭は「普通の薬はいけない」と話していたという。保健室に特別の装置を持ち込み、砂糖玉を加工していたという。校長や同市教育委員会は本人から事情を聴き、中止するよう指導した。

 この養護教諭は、普及団体「日本ホメオパシー医学協会」が認定する療法家。卒業生によると、この中学校に赴任した2006年度当時から、体調不良を訴える生徒にホメオパシー療法で使うレメディーという砂糖玉を渡していたという。レメディーは、植物や昆虫の成分など「症状を起こす物質」を水に薄めて、しみこませた砂糖玉。

 日本学術会議は先月下旬、ホメオパシーについて「科学的根拠がなく荒唐無稽(こうとうむけい)」とする会長談話を出している。

 生徒や卒業生は「頭痛や生理痛で保健室に行くと、『レメディーは副作用がない』と言って渡された」「普通の薬はダメと言われた。部活の遠征にもレメディーを持たされた」などと話している。ある生徒は「熱が出た時も『家で飲みなさい』と渡された」という。

 新型インフルエンザが流行した昨年、「インフルエンザを予防できるレメディー」を渡され、予防接種を受けなかった生徒もいる。

 また、この養護教諭は、砂糖玉をレメディーに変換するという装置を保健室に持ち込んでいた。縦横が約30〜40センチほどの装置で、症状に応じて生徒の目の前で砂糖玉を加工していたという。

 一部の生徒は、このレメディーについて「思いこみ薬」と呼んでいた。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

「強大な権力」を持つ大阪地検特捜部。だが一方、稚拙でずさんな捜査が露呈している。

46歳の若さで幹事長に抜擢。枝野氏は菅政権で何を目指すのか尋ねたところ…。

「10%を参考」と税率に踏み込んだ菅首相。方針は示したが、詰めるべき課題は多い。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介