日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの社会ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画アーカイブズ

QAなう


  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 社会
  3. 政治ニュース

小沢氏、菅首相の調整力不足に不信感

 ようやく実現した「菅-小沢会談」は、決裂へのセレモニーだった。9月1日告示される民主党代表選(14日投開票)で8月31日、菅直人首相(63)と小沢一郎前幹事長(68)が“和解”に向けて会談したが、不調に終わり、小沢氏は出馬を表明した。「今後も協力したい」という小沢氏だが、支持獲得戦で先行し、のめない人事案を突きつけ、あいまいな「トロイカ体制」を主張した菅氏を追い詰めた。次期首相を選ぶ代表選は、党を二分する流血覚悟のガチンコ決戦だ。

 小沢氏は31日夕、菅氏との会談を終えたその足で党本部の会見場に入り、出馬表明した。「決断まで随分、自分に問い掛けながら熟慮した。不肖の身だが、せいせいと選挙戦に臨んでまいりたい」。谷亮子参院議員ら約20人が見守る中、言葉を選ぶように話した。1日の共同会見で話すとして質疑は行わなかったが出馬の経緯を語る中、菅氏への不信感をにじませた。

 会談は、小沢氏不出馬→対決回避を探るものだったが、会談前、既に2人の間にはミゾができていた。

 小沢氏はこの日昼、鳩山由紀夫前首相、輿石東参院議員会長と3者会談。この場で、菅氏に連絡が取られた。前日、トロイカ体制を強調した菅氏は小沢氏との会談に意欲的だったが、小沢氏は「ひと晩明け、話し合いで挙党一致の態勢をつくる形は取るべきではないとのことだった」と指摘。予定されたのは、3人に菅氏を交えた4者会談で、取り込まれるのを恐れた菅氏が、ひるんだと受け止めたようだ。

 小沢氏は「脱小沢」の象徴、枝野幸男幹事長や仙谷由人官房長官らの更迭を要求したとされる。菅氏の覚悟を試すようだったが拒否され、「最終的に腹を固めた」(小沢氏周辺)。挙党態勢の考えが折り合わない相手との会談も決裂を確認する場にしかならず、結果的に2人だけで行われたが約15分で打ち切られた。

 当初、周囲の期待に押されたといわれた小沢氏だが、8月26日の出馬宣言後の動きは早かった。党内グループ有力者への支持要請や支持団体回りに足を運び、支持議員の役割も明確にして組織戦をスタート。電話での支持要請も「菅氏陣営より早かった」(新人議員)という声がある。序盤の票読みでは、現段階で小沢氏がポイント数の多い国会議員票で優位に立ち、態度未定者への働きかけも先行しているといわれる。

 不出馬情報が流れた30日夜も、小沢氏は側近に戦闘準備の続行を指示。31日は、午前中の段階で夕方の出馬会見をセットし、タイムリミットを設けて菅氏をじりじり追い込んで結論を迫った。

 小沢氏は会見で「菅内閣成立以来、協力しないとは1度も言ったことはない。今後も力を合わせ、協力していかなければという気持ちに変わりない」と強調したが、対立は激しさを増している。政治とカネの問題を抱える小沢氏を、菅氏が説明を求めて逆に追い込むことも予想され、強気の戦略がどこまで続くか不透明な部分もある。【中山知子】

 [2010年9月1日9時26分 紙面から]


関連ニュース




キーワード:

小沢一郎




社会ニュース

記事バックナンバー


政治ニュース

記事バックナンバー


経済ニュース

記事バックナンバー


国際ニュース

記事バックナンバー





この記事を読んだ人は以下の記事も読んでいます

  1. 1  菅首相「反小沢」側近抑えられず挙党失敗 - 政治ニュース
  2. 2  菅首相、小沢氏が民主党代表選立候補届出 - 政治ニュース
  3. 3  英紙「小沢氏は破壊的で災いもたらす」 - 国際ニュース
  4. 4  高速道路90キロ逆走 検問5カ所突破 - 社会ニュース
  5. 5  海江田、赤松、谷氏…/小沢氏推薦人名簿 - 政治ニュース




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 社会
  3. 政治ニュース

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです