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民主代表選告示 菅VS小沢“急所”突き合い
民主党代表選の共同記者会見を終え、握手する菅首相(左)と小沢前幹事長
Photo By 共同 |
民主党代表選は1日告示され、再選を目指す菅直人首相(63)と、小沢一郎前幹事長(68)の全面対決の火ぶたが切って落とされた。代理人を通じての立候補届け出後に都内のホテルで共同記者会見。首相の挑発に対して小沢氏も応戦し、政権運営や「政治とカネ」の問題などお互いの「急所」を突き合った。14日の投開票に向けて戦いはさらに激化しそうだ。
会見は午後4時から始まり、首相が先に登壇。数十秒後に小沢氏が姿を見せ、笑顔で首相と握手。和やかな雰囲気はここまでで、冒頭の決意表明から火花を散らせた。
まずは小沢氏が「政治主導をつくらないといけないが、ちょっと実態が違うのではないか」と首相の政権運営を批判。これに対し、首相は「クリーンでオープンな民主党をつくっていきたい。カネがまつわる古い政治からは脱却しないといけない」と政治資金問題を抱え二重権力批判を受ける小沢氏をけん制し「どちらが首相にふさわしいか選んでいただく選挙だ」と挑発した。
舌戦は質疑応答でヒートアップ。米軍普天間飛行場移設問題について、小沢氏が「沖縄県民も米政府も納得できる案を見いださなくてはならないし、私は必ずできる」と主張。首相が「白紙に戻すような議論はどうか。鳩山政権下での日米合意を踏まえ、当時幹事長だった責任を持った態度で臨んでほしい」と指摘すると、小沢氏は「ちょっとすいません」と手を挙げて発言を求め「白紙に戻すとは言っていない」と気色ばんだ。
「政治とカネ」問題でも激突し、首相は「小沢氏は幹事長辞任で一定のけじめをつけたと思っていたが、総理になりたいのであれば説明が必要」と批判。当初は落ち着いた口調だった小沢氏も身ぶりを交えるなど熱を帯び「検察に1年にわたり捜査を受けたが何もなかった」と訴えた。
さらに、首相は「小沢氏はどんな首相になりたいのか。予算委員会に何時間も座っている場面は想像しにくい」とチクリ。小沢氏は白い歯を見せ「20年以上前に閣僚に就任し、予算委員会で答弁もした。自分自身の持ち味で誠実に役職をこなしていけるのが首相の資質だ」と反論した。
「首相の資質」を焦点に、首相が小沢氏の答弁力や健康に懸念があるとして「国際会議や国会に耐えられない小沢首相」のイメージを植え付ける作戦。ただ、会見後、自ら「ちょっと反省している」と振り返り、身内の菅陣営内からも「言い過ぎだ」との意見が噴出。選対本部長の江田五月前参院議長が首相に電話し「けんか腰でやっては駄目だ」と忠告するほどの白熱ぶりだった。
両氏とも代表選後の党分裂の可能性は否定したが、目を合わせたのは握手をした時の一瞬だけ。お互いの急所攻撃は禍根を残しそうだ。
<対決2度目>民主党代表選は14回目。菅首相と小沢前幹事長の対決は2度目だ。98年4月の民主党結党の際は選挙を経ず話し合いで菅氏が代表に就任。初の選挙は99年1月で、以後13回のうち無投票も5回。今年6月の鳩山政権退陣など任期途中の代表辞任により、国会議員だけが投票した選挙も5回ある。立候補回数最多は菅氏で8回目。過去7戦は3勝4敗。小沢氏は無投票当選2回を含め3戦3勝で勝率10割だ。
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