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中国人窃盗団、学都仙台狙う? 周辺市町で空き巣多発
仙台市近郊で多発していた中国人グループによる空き巣事件の手口が宮城県警の捜査で明らかになってきた。福建省出身の不法滞在者が窃盗団を組織し、同郷の留学生や就学生らの部屋を拠点にしている可能性があるという。多額の借金を背負って来日する留学生らが少なくないことも、組織的犯行を生みやすい要因になっているようだ。 昨年8月26日夜。名取市の住宅街で、福建省出身の専門学校生の男(21)はスーツ姿で携帯電話を手に歩いていた。パスポートを携行していなかったため、警戒中の捜査員に入管難民法違反の疑いで現行犯逮捕された。 県警によると、付近では当日、数件の空き巣被害が確認された。中国人グループによる空き巣事件は5年ほど前から仙台市と周辺市町で目立ち、200件を超えている。 メンバーは住民に怪しまれないようサラリーマンを装い、2、3人で住宅街を訪れる。1人が見張り役となり、携帯電話で住民の動向を実行役に「実況中継」する。名取で逮捕された男も見張り役だったとみられる。 狙うのは、夕方から午後8時ごろにかけて明かりのついていない民家。下見で留守にする時間帯を把握しているケースも多い。窓を破って侵入し、屋内を物色し、現金や貴金属のほか、ノートパソコンなどの持ち運びやすい電化製品を盗む。 県警によると、福建省出身者で構成する複数のグループが別々に犯行を重ねているという。捜査関係者は「仙台は中国人の留学生や就学生が多く、同郷のつてで滞在場所を確保しやすい。そんな条件も狙われる要因になっている」と分析する。 名取で逮捕された男は青葉区のアパートで仲間と合流していた。捜査幹部は「また貸しなどで契約者と異なる住人が出入りし、犯罪に利用されているアパートが市内に点在する」と指摘。県警の調べを受けた複数の中国人学生は「来日費用で多額の借金があり、日本で金を稼ぐ必要があった」と打ち明けたという。 捜査幹部は「在留資格がある期間に借金を返済しきれない学生が、手っ取り早く稼ぐ方法として窃盗団に加わる。留学・就学をめぐる構造上の問題が犯罪を誘発しており、根が深い」と危機感を強めている。
2010年09月01日水曜日
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