26日夕の雨は、長野支局に来て初めて見る激しさだった。デスク席の背後の窓ガラスに、たたきつける雨水が滝のように流れ、さながら「水のカーテン」。2階から見下ろせば道路脇は小川のような水流。そこまでは内勤の気楽さ、「すごい雨だねえ」と軽口をたたいていたのだが……。
キーボードをぱちぱちやりながらふと足元を見ると、靴のすぐそばに水が迫っていた。思わず、椅子から落ちかけた。「まさか床上浸水? 2階なのに」。調べると、立て付けの悪い窓のすき間から雨が流れ込んだらしい。あわてて近くの電気製品の電源を切り、窓際3カ所の大きな水たまりをモップでふき取った。
今夏は話題のゲリラ豪雨の被害が県内でも相次いでいる。支局は自分より1歳年上のボロ、もとい古いビルだから、これくらいで済めば御の字か。31日夕も長野市内は激しい雨に見舞われた。背後の窓から、ぼとっ、ぼとっと雨だれの音。気になって仕事が手につかない。【松尾良】
毎日新聞 2010年9月1日 地方版