2010年8月31日(火)

さいたま市、110歳以上の戸籍が252人 県内各市でも相次ぐ

 

 全国で百数十歳の高齢者が戸籍上に存在している問題で、県内でも30日、さいたま市や久喜市、富士見市などで相次いで見つかった。戸籍は年金や国民健康保険などのサービスに連携しないので実害はないが、最高齢は秩父市の1856(安政3)年生まれの女性で、生きていれば154歳になる。“幽霊”ならぬ“仙人”が存在するかのような真夏の怪異は、自治体の調査によって、まだ広がる気配を漂わせている。

■さいたま市

 さいたま市では、1865(慶応元)年生まれの144歳の女性を最高齢に、110〜140歳代の戸籍が252人残っていた。いずれも住民登録はないが、死亡届も出ていなかった。市内で生存が確認されている最高齢は107歳の男性だった。
市はこれまで、120歳以上の死亡届が出ていない高齢者については、各区が法務局の許可を得て職権で消していた。消去の遅れについては、「通常の届け出の処理を優先していたため、手続きが後回しになっていた」と説明している。
戸籍には転出先を明記する「附票」があるが、終戦直後の混乱や、所在不明のまま住民登録を抹消されて、行方が確認できないケースも少なくないという。
最高齢の女性が生まれた慶応元年は幕末で、坂本竜馬が斡旋(あっせん)した薩長同盟成立の前年に当たり、米国ではリンカーン大統領が暗殺された年。

■秩 父 市

 秩父市には、満154歳の女性の戸籍が残っていた。
市によると、女性の誕生日は1856(安政3)年6月13日。住所は不明。26日に110歳以上の高齢者の戸籍の見直しを行ったところ、戸籍がありながら住民登録がされていない人が、この女性を含めて49人いることが分かった。

■鳩 ケ 谷 市

 鳩ケ谷市では、戸籍上、夫129歳、妻124歳の夫婦が生存したままの状態になっていた。市内に本籍があり、死亡が確認されていない100歳以上を調査した結果、この夫婦のほか102歳男性まで7人(男性4人、女性3人)が、死亡の記載と住民登録がなく所在が不明であることが分かった。
さらに、115歳男性、114歳男性、108歳女性、104歳男性の4人は市外に転籍していたが、市内に戸籍が残り、何らかの理由で死亡確認されず、削除漏れだった。
市は2003年の戸籍処理の電算化に伴い、市内に本籍がある高齢者消除調査を実施、64人を削除した。この際、対象が単身高齢者だったため、今回見つかった市内最高齢夫婦はリストから除外されていた。

■富 士 見 市

 富士見市では1866(慶応2)年生まれの男性の戸籍が残っていた。生きていれば144歳。ほかにも100歳以上の高齢者24人が戸籍上「生存」となっているという。
市によると、「144歳」男性の戸籍に記載された住所は、地図上では更地になっており、生存は確認できていない。

■久 喜 市

 久喜市では、戸籍に記載されている120歳以上の人が63人いた。最高齢は同市栗橋地域の1858(安政5)年生まれの男性で152歳だった。26日からの調査で判明したもので、内訳は男性35人、女性28人。
住民登録はしておらず、年金の受給や介護保険のサービスも受けていないため、公金の支出はない。

■吉 川 市

 吉川市では、戸籍簿上、100歳以上の人が70人いた。うち120歳以上の32人については「生存している可能性がないので、市長職権による除籍を行いたい」(戸張胤茂市長)としている。
戸籍簿上の最高齢者は140歳の男性で、1870(明治3)年6月生まれだが、居住地などが記録される「附票」がない、という。

 

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