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きょうのコラム「時鐘」 2010年9月1日
月が改まって、夏から秋への節目の時だが、「暑い夏」はまだ去りそうにない。節目もけじめも、暑さに溶けそうである
それでも、暦が進むのはありがたい。底引き網漁が解禁となり、食卓に秋の彩りが加わる。残暑の日々が続いても、おいしい甘エビやカレイが律義に秋を告げてくれる。北陸に暮らす幸せの一つである 節目の日は、この国の指導者選びの時に重なった。ひと足早く、サッカーの日本代表監督選びが決着した。熱心なファンを除けば、名前も知らないイタリア人。「世界の16強」チームに、さぞや注目が集まるかと期待したが、随分難航した。大物監督連中が「極東への出稼ぎ」を嫌ったという。日本を見る世界の目は、なかなか厳しい 新監督は強豪チームの指揮官を歴任し、相応の実績も残した。ただし、最近はパッとせず、「過去の名将」ともいわれるそうな。周囲がはやす名声は、果たして本物か。手腕はいまも通用するのか。ファンは早くも騒々しい 似たような人物評を毎日、耳にする。サッカーよりもよほど大事な国の指導者選びは、どんなけじめや節目を迎えるのだろう。 |