中国主席:正銀氏世襲を事実上容認 金総書記と会談

2010年8月30日 21時41分 更新:8月31日 0時14分

 【北京・米村耕一】中国と北朝鮮の国営メディアは30日夜、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が26日から30日に中国を非公式訪問し、長春で胡錦濤国家主席と会談したと報じた。新華社通信によると、両首脳は北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の早期再開で一致。金総書記は中国の改革・開放政策を高く評価し、北朝鮮の経済発展のために中朝協力の強化を求めた。また、胡主席は会談で、金総書記から三男の正銀(ジョンウン)氏への世襲を事実上容認した。

 同通信によると、胡主席は首脳会談で、韓国哨戒艦沈没事件に関する国連安全保障理事会の議長声明を受けて朝鮮半島情勢が変化したと指摘。緊張緩和のために速やかな6カ国協議再開が必要だと強調した。金総書記も「朝鮮半島非核化の立場は変わらない。6カ国協議の早期再開を推進する」と述べた。5月の訪中では「6カ国協議プロセスの進展のため各国が積極的に努力すべきだとの考えで一致」との表現にとどまっており、早期再開を明言したのは対応を一歩前に進めた形だ。

 正銀氏が同行したかについては、中朝両国のメディアとも触れていない。

 ただ、北朝鮮の朝鮮中央通信は「自国の状況をそれぞれ通報」したと伝えたうえで、胡主席が「(中朝親善を)代を継いで伝えていくことは双方の歴史的責任だ」と述べたと強調。新華社通信は、北朝鮮が後継体制作りの契機にしようとしている9月上旬の党代表者会について、胡主席が「党代表者会の成功を祈る」と語ったと報じた。これは、正銀氏への世襲を事実上容認したものだといえる。

 また、朝鮮中央通信は「東北3省の発展を目撃して深い感銘を受けた」という金総書記の言葉を紹介した。

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