ところで、小沢一郎の民主党代表選立候補をめぐって、対照的な2つの世論調査結果が話題を呼んでいる。一つは、共同通信が8月27日、28日の両日に行った全国緊急電話世論調査である。
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082801000428.html
菅氏69%、小沢氏15% 民主代表選で緊急世論調査
共同通信社が27、28両日実施した9月1日告示の民主党代表選に関する全国緊急電話世論調査で、代表になってほしい候補者に菅直人首相(党代表)を挙げたのは69・9%で、15・6%の小沢一郎前幹事長を大きく上回った。民主支持層では菅氏支持は82・0%に上った。首相続投支持が世論、支持層の大勢であることが鮮明になり、党所属の国会議員や地方議員、党員・サポーター票の動向に影響を与えそうだ。
菅内閣の支持率は48・1%で、7、8両日調査の前回から9・4ポイント増。不支持率は8・6ポイント減の36・2%で、7月の参院選後、初めて支持が上回った。代表選の結果、首相が交代した場合、「衆院解散・総選挙を行うべきだ」とする回答は56・1%。「行わなくてもよい」は39・1%だった。「小沢首相」は世論の解散圧力にさらされることになりそうだ。
(2010/08/28 19:21 共同通信)
一方、読売新聞がネットで実施した、小沢一郎の民主党代表選立候補の是非を問うアンケートでは、支持が不支持の3倍以上に達している(当記事執筆時点で、支持76%、不支持24%)。
http://sum.qooker.jp/O/election14/ja/sp1.html
これは別に不思議でも何でもなく、森喜朗内閣時代に行われた10年前の総選挙を前にして、ネットでのアンケートでは民主党支持が自民党支持を大きく引き離していながら、マスコミの世論調査及び選挙結果においては、自民党支持が圧倒的に上回ったのだった。決して「マスゴミの捏造」ではない。それに、読売がネットで行ったアンケートは、小沢一郎の立候補の是非を問うものだ。現時点で菅直人も小沢一郎も支持していない私でも、この質問に対してなら「(小沢の立候補を)支持する」という答えになる。小沢一郎の「立候補を」支持する理由は、民主党の勢力を二分する菅直人と小沢一郎の2人に、徹底した議論を期待し、民主党政権が目指す方向を示してもらいたいからである。
私自身は、繰り返し書くように、「民社国連立政権」の頃はその枠組を支持していたが、普天間基地移設問題で社民党が連立を離脱したあとは、菅政権に代わっても支持はしていない。ただ、昔から自民党を支持したことは一度もなく、自民党政治への逆戻りはごめんだと考えている。
ところが、菅直人と小沢一郎のガチンコの論戦を期待する声は、さほど大きくないようだ。朝日新聞や毎日新聞の社説は、「政治と金」の問題を盾にとって、小沢一郎を門前払いしたい本音がありありだし、両候補の論戦を求める読売新聞も、代表選後の民主党分裂や大連立政権成立を期待する下心がミエミエだ。実際、菅直人、小沢一郎の両候補とも、大連立への志向性を持った政治家であり、その意味で候補者がこの2人だけであることに物足りなさを感じる。
それでも、両巨頭が議論することの意味は決して小さくない。東京新聞(中日新聞)は、朝毎読とは違って、下心なしに両候補の論戦を求める論調をとっているように見える。
もっとも、昨日(8月29日)付の『kojitakenの日記』でも紹介したように、元宮城県知事の浅野史郎氏は、1997年の宮城県知事選で、新進党からの推薦を打診してきた当時の新進党党首・小沢一郎の依頼を断った翌日、自民党と組んで対立候補の推薦を発表した小沢一郎をテレビで見て、その時の経験から、
と書いている。小沢さん側が「政策で戦う」と言っているのが、信じられるものではない
私も、小沢一郎の「国民の生活が第一」は選挙に勝つための方便であって、小沢一郎の本質は、「政局が第一」「選挙が第一」の政治家だと思っている。それを承知の上で菅直人と小沢一郎の論戦を求めるのは、一つには現在のまま野田佳彦財務相続投で、財務省主導の緊縮財政や不況時の消費税増税などの政策をやられては国民生活はたまったものではないことと、もう一つはいい加減「小沢一郎の幻想」を剥ぎ取って、「剛腕の小沢さんなら何とかしてくれそう」とか、「小沢さんでなきゃアメリカ(官僚、財界、「悪徳ペンタゴン」などに置き換えても良いけれど)に対抗できない」などという世迷い言に終止符を打たなければならないと考えているからだ。そのためには、菅政権が続くよりも、いっそのこと小沢一郎が代表になって、小沢政権ができた方が良いのではないかと思っているほどだ。
だが、小沢一郎の支持者は菅直人との論戦など全く期待していないようだ。たとえば、前回のエントリに、下記のようなコメントをいただいた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1103.html#comment10041
ややこしいことは不要。
09衆院選のマニフェストを守るか、否かが
争点だ!特に消費税。
2010.08.27 15:13
コメント主は無記名であり、こういうのは普段は承認しないのだが、いわゆる「小沢信者」の特徴がよく現れているので、悪趣味かもしれないが、特別にこれを承認した上、こうやって本文で晒し者にしている(笑)。
このコメントを見た時、私は爆笑した。なぜかというと、コメント冒頭の「ややこしいことは不要」というフレーズから、例の「具体的なことはよくわからないが、小泉首相のキャラクターを支持する層」、すなわち「B層」を思い出してしまったからである。「B層にフォーカスした徹底的なラーニングプロモーションが必要」と書かれた資料は、今でもネットで確認できるが、これは5年前の「郵政総選挙」のために、竹中平蔵と私的に親しい関係にあった有限会社スリードが作成したものである。今、小沢一郎を熱烈に応援している者の中には、5年前の総選挙では小泉の宣伝につられて自民党に投票した者が少なからずいるのではないかと私は想像している。小沢信者と小泉信者は、思考回路がよく似ている。
これと対照的なのが、民主党員のさとうしゅういち氏が主筆を務める『広島瀬戸内新聞ニュース』のエントリ「民主党代表選挙に期待される論戦」であって、毎度のことながら簡潔によくまとめられている。
リンク先記事に挙げられた論点のうち、普天間基地移設問題に関して、下記のように書かれている。
基地問題については、小沢候補が普天間基地の辺野古移設を批判しています。この点は歓迎したい。問題は、どのようにでは見直しを実現するか。どのような決意をもって事にあたるか、です。
どうも、辺野古は、結局は自衛隊基地にするという話も表ざたになっています。日本側の防衛利権関係者が、アメリカを出汁にしていたのではないか、という疑惑もあります。今一度仕切り直しをお願いしたい。
日本側の防衛利権関係者の話で思い出したのが、3年前に守屋武昌が関与した「防衛疑獄」が発覚した頃、自民党の野中広務が小沢一郎周辺の防衛利権疑惑を指摘したことだ。当ブログも2007年11月17日付エントリ「野中広務が指摘する小沢一郎周辺の『防衛利権』疑惑」で取り上げた。野中広務は、小沢一郎の「過去」について、既に 『政界裏面史』 に書きためており、それは野中の死後に公表されるようにしてあるのだそうだ(上記当ブログのエントリより)。当時、小沢一郎にも後ろ暗いところがあるから、民主党は「防衛疑獄」の追及に及び腰なのだ、などと言われていた。そもそも、防衛利権は自民党竹下派が押さえていて、それを清和会が奪取したものだった。だから、自民党時代の小沢一郎には防衛利権の陰がある。
そんな小沢一郎、しかもこの件に関して鳩山政権の幹事長時代に、何ら鳩山首相に影響力を及ぼさなかった小沢一郎が普天間基地問題を争点にしようというのだから筋は通っていないが、「白猫でも黒猫でも、ねずみを捕るのが良い猫である」とでも言っておこうか。
「政治と金」の問題については、当ブログはこの問題を盾にとって小沢一郎を門前払いすることはしない。しかし、上脇博之・神戸大教授は、
として小沢一郎を批判する一方、菅直人に対しても、小沢氏は、昨年の総選挙後の10月、民主党がマニフェストに明記していた企業・団体献金の全面禁止等について、「21世紀臨調」に「諮問」してしまい、「21世紀臨調」は、今年4月に、企業・団体献金の部分的にしか禁止しない提言を発表し、民主党は、企業・団体献金の全面禁止という選挙公約を反故にしてしまった。
と手厳しく批判している。小沢一郎、菅直人とも、なぜ企業・団体献金全面禁止がこれまで進んでこなかったのかについて説明するとともに、これを示す道筋を示さなければならない。取り調べの全面可視化についても同様だ。菅氏は、6月11日の所信表明演説では、「企業・団体献金の全面禁止」も「政治資金規正法の抜本改正」も一切発言しかった。
その後も、そのような発言は一度もない。
企業・団体献金の全面禁止を実現する気がないのだろう。
上記以外で重視したいのは、やはり政府のあり方をめぐる議論であって、何度も書くけれども「サービスの小さな政府」か「サービスの大きな政府か」の選択だ。「サービスの」という枕詞をつけたのは、菅直人も小沢一郎も好んで言う「ムダを省く」ことなど当然の前提であって、真に議論すべきは政府のサービスの拡大か、それとも現状のままの「小さな政府」の継続あるいはさらなる政府のサービスの削減かということが言いたいからだ。
現在の日本が既に「小さすぎる政府」であるとは、元財務官僚の榊原英資氏なども認めているところで、榊原氏は人口の少ない北欧モデルは日本には合わないから、フランス、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパをお手本にして「大きな政府」路線をとれと主張しているのだが、菅直人は神野直彦氏をブレーンにしている割には「大きな政府」を言いたがらないし、小沢一郎にいたってはさらに怪しい。毎日新聞は、名古屋市の河村たかし市長が主導する市議会の解散請求(リコール)の署名活動を、小沢一郎に近い国会議員(おそらく民主党議員=筆者註)数人の秘書が手伝っていることを伝えているが、河村たかしの主張は、「民主党を減税政党にせよ」、つまり、民主党は「小さな政府」を目指せということだ。小沢一郎は、どうもそれに傾斜しているように見える。なぜかと考えると、高福祉だが負担も大きくなる「大きな政府」を主張するより減税を打ち出した方が選挙での得票が増えると小沢一郎が計算しているからだろう。
実際には、年収1000万円以下の層では、払う税金より政府のサービスを受ける分の方が多く(これは飯田泰之の試算だったと思う)、日本でも他国に比べて弱いとはいえ再分配が行われているわけで、「民主党を現税制党にせよ」という河村たかしの主張は、要するに政府は再分配なんかしないで、もっと市場に任せよ、そして格差を拡大させよと言っているに等しい。
ところがトンチンカンなことに、玄葉光一郎を新自由主義者だとして批判する小沢信者が(この批判自体は正しいが)、河村たかしを新自由主義への反対者であるかのように妄想し、「河村たかしのバックには小沢一郎がいる」などと得々と書いている。
私は昨日、『kojitakenの日記』でこれを批判したのだが、これに対して、bannbannさんと仰る方から、興味深いコメントをいただいた。実は、前述の河村たかし主導の名古屋市議会のリコール署名活動を、小沢一郎に近い国会議員数人の秘書が手伝っていることを伝えた毎日新聞記事も、このコメント欄でbannbannさんに教えていただいたのだが、さらにbannbannさんはこうも指摘している。
bannbann 2010/08/29 14:53
小沢一郎、多分権力維持のためなら右でも左でもくるくる主義主張を変える人だと思います。ある方のブログによれば国旗国歌法に賛成した小沢氏ですが自自公連立を離脱した直後に国会で国会掲揚を認めようとの決議がなされたとき反対したそうです。驚いて聞いた記者が、あたりまえだろ野党なんだからと平然と言ったとか。ですから、左右両方の人間にとって深入りは禁物の人物だと思います。裏切るときはおもいっきり骨の髄まで切り裂く裏切りをしてくる人でしょう。
この調子で、総理大臣になったら普天間基地問題も辺野古現行案で決着、企業・団体献金全面禁止も取り調べの全面可視化も骨抜き、消費税を増税しながら「小さな政府」路線をとり、果ては「大連立」を組んで、「あたりまえだろ与党なんだから」とうそぶきかねないのが小沢一郎という人間である。
そんな人間であってもあえて総理大臣にする、民主党議員や一般党員、サポーターの方々がそう判断されるなら、小沢一郎代表、小沢一郎内閣発足に突き進んでもらって結構だ。私は、小沢一郎が日本を良くするなどとは全く考えていないが、最初の方でも書いたように、このまま無策の菅政権が続くくらいなら、一度小沢一郎に総理大臣をやらせてみて、「剛腕小沢」の神話を、小沢一郎自身に打ち砕いてもらうしかないのではないか、やけくそ気味にそう考えている。
「小沢さんなら何とかしてくれそう」、「小沢さんでなきゃアメリカ(官僚、財界、悪徳ペンタゴン、etc.)に対抗できない」という馬鹿げた思い込みに侵されているのは、何も「小沢信者」ばかりではなく、リアルの政治家も同じだし、最近では江川紹子や池田香代子といった文化人にも信仰が広がっている。だから日本の政治は良くならないのである。
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よく拝見し、勉強させて頂いてます。
しかし...
>「政策で戦う」政治家とは信じられない小沢一郎だが...
勉強にはなるが、かなり偏向でマニアック且つテクニカルな(視野も裾野も狭い)あなたの政策論よりは、遥かに首尾一貫として揺るぎない政策を提案し続けていると思います。
もちろん環境の変化によって「手段」は大きく変更(時には真逆)になるのは当然です。
例えば「大きな政府・小さな政府」論なんて、政治のお勉強のための比喩なら分かるが、実際の政治では「原理」とは成り得ない「手段」の話です。
これを変節ととること自体がテクニカル過ぎるマニアックな政策理解だと、私は思います。
小沢支持・反対以前の話だと思います。
2010.08.30 17:51 URL | 地方都市住民Y.M. #- [ 編集 ]
その河村たかしが市長をしている名古屋市民のひとりです。
私は名古屋市議会とも市職員ともなんの関係もありませんが、彼らがリコールを批判する理由の方がまったく正しく思えてしまいます。
ひとつ
河村たかしは税金の意味を180度間違えて解釈しているということです。
河村氏は「税金は安ければ安いほどいい」と主張しています。これは大衆的な人気を得るためには手っ取り早い主張です。しかし市議会側の計算でも、10%恒久減税による恩恵は年収1000万を境にして損得が分かれるというものでした。
河村氏の支持率は今も50%ほどはあります。年収1000万を超える人がそんなにいるとは思えないので、市民の多くも「税金は個人負担を軽減するためにある」ことを完全に誤解していることになります。
ひとつ
議会の存在意義を勘違いしている。
確かに地方議会にはオール与党化が進んで、チェック機能に不全の見られるところもあります。そういう面は正していかなければならないでしょう。
しかし河村氏の理想とする議会は「自分と同じ思想の者ばかりを集める」ことであり、これでは市長の暴走という、阿久根市で見られる呆れるばかりの混乱を防ぐ能力を削ぎ取ってしまいます。地方官僚イエスマンが市長イエスマンばかりになって改革と言えるでしょうか?
ひとつ
本来リコールは市民が自発的に行うものです。
ところが今回のリコールは市長が音頭を取っています。テレビへの露出度を武器に、リコールがいかに正当であるかを耳に聞こえの良い言葉を並べ立てて扇動します。さすがに阿久根市でも議会はリコールに対して前面には出てきてはおらず、その意味でルールは守られているようです。
「人気者」の河村氏による議会リコールは、理屈抜きで成立する可能性も高いと思います。
しかしそれは「プレビシット」。すなわち−−不要なリコールや投票で人気者が事実上の独裁者になる−−そんな愚かしい現実が生まれる悪しき地方自治の前例になるだけのように思えます。
2010.08.30 23:43 URL | 飛び入りの凡人 #mQop/nM. [ 編集 ]
地方都市住民Y.M.こと小沢信者さん、乙!
あなたのコメントには、腹の皮がよじれるほど笑わせていただきました。当エントリを読んで、頭から湯気を立てるほどご立腹された様子がよく伝わってきますwww
> 例えば「大きな政府・小さな政府」論なんて、政治のお勉強のための比喩なら分かるが、実際の政治では「原理」とは成り得ない「手段」の話です。
というくだりには特に笑わせていただきました。「大きな政府・小さな政府」が「手段」ですって?
「大きな政府・小さな政府」論が空理空論だという批判ならよく浴びますけど、「手段」とは何ですか? 「手段」というのであれば、きっと具体的な何物かなのでしょうね。例を挙げてお示しいただけませんか?
それに、「これを変節ととる」などと仰いますが、小沢一郎は自民党・自由党時代から「小さな政府」を標榜する新自由主義者でした。
私は、小沢一郎はその頃と何も変わっていないのではないかと書いているのですが、その程度の筆者の意図さえ読み取ることができないのでしょうか?
さすがは小沢信者のお方ですね! 勉強になります。
2010.08.30 23:46 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
>小沢一郎はその頃と何も変わっていないのではないか
ん?
あー、自民党時代の新自由主義がポーズだったんですよ。
あのころは建設業界を支持母体にしていて、典型的な利益誘導屋でしたから。
入社式で会長の背後に飾られた巨大な小沢一郎の写真に最敬礼させられて「ちっ北朝鮮かよ」と、誰にもわからないように悪態をついた思い出があります。
2010.08.31 01:25 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]
いっそオザワにやらしてしまえばいいというご意見、自分もそれでいいやとさえ思います。(まあどっちでも)。
いつまでも小沢信仰が続くよりかはと。
でもまたどっちにしろ、都合が悪くなると「官僚のせい」にするんでしょうが。
それよりもいわゆる左の文化人、池田香代子さんやら、特に江川紹子さんがこの有様で全く悲しい限りです・・・。
まあこのお二人はハトヤマさんにもあきれる程に優しかったですから。
それから大谷昭宏さんあたりも、どっかの有名ブロガー同様、「政治」の話を語り(れ)ませんね。
なんかほんと残念です。
自民党憎しはわかるんですけど、で、いつまで民主党あたりを過保護に見守る応援団するつもりなのでしょうか?
いまだ、まだ「ジ・エンド」できてねえのかよ(コイツラ)・・・。
それとも何政権の下でも食っていくのに困らない文化人やジャーナリストたちは心まで寛大になるんでしょうか。
「歴史的な日」から丸一年。
こういう方々のこの一年間の「総括」をそろそろ聞いてみたい今日この頃ですね。
とにかく現状のヘボ政治の下、妙な時間から働いて自己責任でやっていくしか方法はないんでしょうね。
それにしてもこの一年間は何だったん?
「ジ・エンド」から次の段階にいつになったら進むことやら!
2010.08.31 05:12 URL | siroto #VR5Eaygk [ 編集 ]
飛び入りの凡人さん、
コメントありがとうございます。コメントを、『kojitakenの日記』で紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100831/1283208446
2010.08.31 08:12 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
29日のTBS「サンデーモーニング」でレギュラーコメンテーターのひとりである写真家・浅井慎平が河村たかしが主導するリコールを当然のように擁護していました。残念ながら、これがテレビに出てるような「リベラル文化人」のレベルなのでしょう。
飛び入りの凡人さんのおっしゃるように、そもそもこのリコールは、首長(執行権)と議会(議決権)が、チェック・アンド・バランスの関係で、互いに暴走を防ぐという地方自治の二元代表制を否定した憲法違反の行為なのです。それがどんなに危険な事かを浅井慎平は全くわかっていないのでしょうね。そして、今日の朝日新聞です。
河村市長支持70%、署名活動評価65% 共同世論調査
http://www.asahi.com/politics/update/0831/NGY201008300016.html
例の「市民税10%減税」にしても低所得者にはなんのメリットもないはずです。年金生活者など所得税ゼロの人はもちろん、市民税5〜10万程度の低所得者は年間で5000円〜1万円程度の減税になるだけです。結局、これは「稼ぎのない奴は減税の恩恵にもあやかれない」という貧困層の排除にほかなりません。そして、このような政策が受けるという現実に人々の精神的貧困と税や福祉に対するリテラシーの低さを感じてやりきれない思いです。
>「小沢さんなら何とかしてくれそう」、「小沢さんでなきゃアメリカ(官僚、財界、悪徳ペンタゴン、etc.)に対抗できない」という馬鹿げた思い込みに侵されているのは、何も「小沢信者」ばかりではなく、リアルの政治家も同じだし、最近では江川紹子や池田香代子といった文化人にも信仰が広がっている。だから日本の政治は良くならないのである。
これまた最近の「リベラル文化人」のレベルを著す現象。
特に「護憲派」を自認しながら小沢支持に傾いている人たちの多くが、その矛盾にあまり悩んでもいないようなのが不思議でなりません。菅首相のあまりな新自由主義寄り政策に業を煮やし、局限的に小沢氏を支持するというのはわかります(Kojitakenさんが言われるように実は経済政策もたいして期待できないと私も思っていますが)。しかし、同時に「護憲派」であれば小沢氏の従来からの主張である集団的自衛権の見直しや強権的な国会運営には絶対反対であると明言すべきです。仮に経済政策で効果をあげることができても、安全保障の面で将来どんなデメリットを生むかもしれないことへの責任意識が全く欠けているように思えます。それどころか「小沢一郎こそ憲法9条の守り手」などというわけのわからない主張をしている人もいるくらいです。
90年代半ば以降「9条の会」はじめ護憲運動が広がったのは安倍元首相のような極右政治家の言動に危機感をつのらせたからだけではありません。小沢氏が主張した「(戦争ができる)普通の国」論への反発がそもそもの発端だったのです。
池田香代子さんなどには、湾岸戦争の時に小沢氏が何をしたかくらい考えてもらいたいものです。
リベラル派で小沢氏を支持する人たちは、しばしば「過去は過去、政治家も変わるものだ」と言いますが、国の将来に大きな影響をおよぼす政治家を判断するために、時系列的にその政治家がしてきたことを詳細にふりかえるのは当たり前のことです。それをせず自分の心情に都合が良い面しか見ようとしない人は、政治家に期待して裏切られることをくりかえすだけでしょう。
2010.08.31 15:49 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]
気まぐれな日々さんは、「信用の創造」という言葉をご存知ですか?
あるいは、企業のバランスシートに何が書かれているかをご存知ですか?
財政に「循環的赤字」と「構造的赤字」があるのを知ってらっしゃいますか?
現在の経済は過去に比べ金融が極端に発達してきています。
つまりGDPにおいても、企業の資産においても、負債(借金)の割合が過去より(100年前より)どんどん大きくなっているのです。
それはこの100年間、先進国においては帝国主義的経済によって常にインフレ状態(名目GDPが常にプラス)であったことが、それだけではないにせよ大きい意味を持っています。
しかし今、世界の先進国は軒並みデフレ基調です。これは各国の国内経済のバランスのせいよりも、経済のグローバル化による要因の方が影響の割合として大きい。
貴方向けに簡単に言えば、中国やインドの労働賃金や購買力が今の数倍になるまで(通貨価値の切り上げという意味も含めて)、このデフレ基調は“経済先進国においては”続くはずです。
これは大英帝国全盛の時代においてもあったし、遠くはローマ時代など、経済圏が一気に広がった時代に共通の傾向です。
狭義には、終戦後の日本とアメリカの経済関係にも類似の減少が見られるはずです。そのとき日本はもちろん後進国側(インフレ基調)です。
もちろんアメリカは日本に対してデフレ基調であって、世界全体に対してそうであったわけではないですが。
いずれにしても、インフレ基調を前提とした会社や社会経済を構築して日本をはじめとする先進国にとって、世界同時デフレ(先進国のみ)はまことに厄介です。
企業に対する金融は「実質GDP」に見るような“実質”を評価しません。あくまでめ“名目”の黒字が前提です。
ですから名目GDPが縮小する社会においては、民間部門においては金融は縮小せざるを得ません。
つまり経済活動は縮小(悪化)が基本となります。
これを埋める主体は公的部門以外に大きなものは見当たりません。
これが冒頭に上げた「財政の循環的赤字」です。
そして亀井静香や小沢一郎のいう積極財政政策は、このデフレ期における「財政の循環的赤字」に他なりません。
貴殿たちの主張する「大きな政府・小さな政府」論は、むしろ「財政の構造的赤字」に類する部分で、内容がまったく異なります。
もちろん両者は、実際の政策上は重複しますので混同されがちですが、今は拡張か縮小かという議論においては、まったく異なる議論ですので、論理的にかみ合うわけもなく、結局誹謗中傷に陥る傾向にあるわけです。
自民党時代の財政政策の問題点は、不況期に「循環的赤字」として拡大した財政を、景気回復後も「構造的赤字」に変換して温存した政府官僚のまやかしにあります。
その時点では強いインフレ基調が連続していましたから何とかなったわけですが、いつか破綻すると見られていました。いざ本当に不況になっても財政出動できない状況(まさに今)になってしまうと。
ですからその時点での財政改革論は不適切に拡大した「構造的赤字」の是正であり、不況期における「循環的赤字」の余地を回復することであったのは当然です。
それを貴方は「小さな政府」という概念だけで説明するから「新自由主義」という区分でしか定義付けられなくなっているのです。
今は深刻なデフレ基調ですから当然「循環的赤字」の発想に立って財政出動しなければ(すなわち名目のマイナスによる金融収縮を財政で補填しなければ)、経済は縮小せざるを得なくなります。
税制も、個人・法人とも所得(≒名目のプラス)に課税する現行税制下では極端な歳入不足に陥り、取引量にかかる(名目がマイナスでも関係ない)間接税にシフトする圧力が高まるの当然です。
それを当面回避するための財政拡張路線があります。
新自由主義者の変節でもなんでありませんし、この部分だけをとってそういう定義づけをするのは論が荒っぽいと思います。
それは「大きな政府・小さな政府」論とは別の政策方針です。
それは両方別次元で論じられなければなりません。
素人の要約の論ですから分かりにくければ、冒頭のキーワードなどを参考に勉強してみてください。
小沢さんの論だから、他の誰の論だからといった次元の指摘ではありません。
私は信者でもありません。
私はレッテル張りは自分にも相手にも(貴方にも)嫌いです。楽でしょうけど。
貴方の論が割りと好きで読むから、多分貴方の大事な主張であるこの部分で、無理やり自分の得意分野に引きずり込むような、しかし僕からいえば混同と混乱がいつも見られるので、しかもそれを安易にレッテル張りに用いるので、ちょっとそこだけ嫌だなと思って投稿しました。
有名ブロガーさんに大変失礼しました。
どうとって頂いても(これ以上腹が捩れても)私の話は以上ですので、関知いたしません。
2010.08.31 17:58 URL | 地方都市住民Y.M. #- [ 編集 ]
読売のネット調査は、某小沢大好きさん大集合の掲示板で。組織票の呼びかけの結果ですよ。最初は菅がリードしてたのですが。
その呼びかけ後。
小沢が逆転、リードを開く状況がリアルタイムで報告されてます。
まあ「俺たちの麻生」みたいなもんですよ。
ただし、ネトウヨの様な不正な投票だとしても。ネットで小沢が人気があるのは確かですが。
2010.08.31 19:02 URL | kame #- [ 編集 ]
今回の代表選騒動で、図らずも明らかになったことは、
民主党が大きく路線の異なる二つのグループから成っていたことだ。
経済政策をめぐる違いと考えられているが、それは誤りだ。小沢に政策はない。
民主党を二つに分けているのは、支持基盤の違いだ。
小沢が代表選出馬を決めてすぐに挨拶に行ったところがある。
連合と全特(特定郵便局長の会)だ。
それに対して、菅は首相としての仕事ぶりを国民にアピールした。
小沢は、労組等の組織・利権団体を支持基盤にしており、
これは伝統的な自民党型の選挙手法だ。財界団体と労組が入れ替わっただけだ。
それに対し、菅陣営は無党派層を支持基盤にしている。
複雑にしているのは、新人議員で、彼らは無党派層を支持基盤にしているが、
小沢のおかげで当選したと信じているので、小沢側についている。
この大勢の新人議員が、自分たちの支持基盤と逆の、小沢グループにいるので、
世論調査と党内の勢力図が一致しないのだ。
支持基盤が無党派層といっても、それは都市に限られない。
長崎2区で落選した元防衛庁長官の久間氏は、正直な人だった。
民主新人の福田依里子に負けたとき、こう言った。
「結局、公共事業の恩恵を受けている人は選挙民のごく一部だからね。」
久間氏の選挙地盤は、公共事業にあった。
地方でも、無党派層が増えてきているのだ。
小沢が、労組を支持基盤にしていると言っても、弱者の味方と言うわけではない。
子ども手当などのバラマキ政策が、それを典型的に表している。
格差が大きい今の社会であれば、無差別に13000円をばら撒くより、年収250万円以下の層に26000円給付し、年収に応じた傾斜配分にすべきだろう。
高校無償化も同じだ。バラマキは、本当の貧困層の助けにはなっていない。
しかし、低所得層を中心に給付を実施すると、支持基盤である組合員にメリットがこない。
現在の労組は、公務員、大企業正社員を主体とする恵まれた労働者が中心なのだ。
国民の大半は未組織労働者だ。所得の低い、中小企業、派遣の労働者は、労組とは無縁だ。
民主党に政権交代させたのは、全国の無党派層だ。
彼らは、小沢が嫌いだ。それは小沢鳩山政権末期の支持率が表している。
小沢が民主党から分離独立しても選挙に勝つ見込みはない。
2010.08.31 23:34 URL | greenstone #- [ 編集 ]
地方都市住民Y.M.さん、
あなたのコメントが真面目な意図で書かれたものであることと、経済学を真面目に学ばれた方として、経済学の門外漢である私に意見をされていることは理解しました。腹の皮がよじれる云々の暴言は、取り消してお詫びします。
で、素人ならではの質問をしますけど、循環的赤字というのは、要するに景気循環に起因するもので、不況期には財政出動が必要だけれど、それは景気が回復すれば改善するという、そういう話でしょう?
それに対して、構造的赤字とは、それこそ「小泉構造改革」が改革の対象とした、景気が回復しても改善されない赤字のことを言うんじゃありませんか?
財政赤字には、上記の循環的赤字と構造的赤字が重畳されているので、それを切り分けて考えなければならないという理解で良いんですよね?
で、結局あなたは何が主張したいのですか? 小沢一郎は今が不況期だから循環的赤字の原因となる積極財政を求めているけれど、だからといって、構造的赤字の元凶である「大きな政府」を主張する論者なんかじゃないということですか?
最近は榊原英資氏までもが、強力な所得再分配機能を持つ「大きな政府」でなければ、産業構造の変化に対応できないと言っています。一方、竹中平蔵らは「小さな政府」を求めています。「大きな政府 vs. 小さな政府」は、経済学者の間でも意見の対立があると私は思っています。
民主党代表選で、小沢一郎が「大減税」を打ち出すのではないかという観測も流れていますが、政府の再分配機能を縮小する行き方で、今後日本が直面する産業構造の変化に対応できるんでしょうか?
不況の現在は財政出動が必要であり、政府の経済対策では不十分であるとは、竹中平蔵でさえ言っていることですが、この点に関しては、何の議論も起きていないんじゃありませんか?
あなたのコメントを何度読んでも意図が理解できないのですが、いったいあなたは何が言いたいんですか?
2010.09.01 00:16 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
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2010.09.01 00:38 | # [ 編集 ]
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2010.09.01 02:27 | # [ 編集 ]
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2010.09.01 03:21 | # [ 編集 ]
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