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“賭博特需”旭南海、十両12枚目から幕内へ

番付表を手に笑顔の旭南海
番付表を手に笑顔の旭南海
Photo By スポニチ

 日本相撲協会は30日、秋場所(9月12日初日、両国国技館)の新番付を発表。野球賭博関与で名古屋場所を謹慎した幕内力士6人がすべて十両に転落したことにより、名古屋では西十両12枚目で10勝を挙げた旭南海(32=大島部屋)が新入幕を果たした。運も味方に付け、初土俵から所要105場所という史上2番目の遅さで昇進。32歳8カ月は戦後4番目の高齢新入幕だが、家族のためにも幕内で奮起することを誓った。

 本人も戸惑いを隠せない新入幕会見だった。先場所は十両西12枚目だった旭南海が、相撲界を揺るがした賭博問題の“特需”を受け、想定外の新入幕。「うれしいです。長く相撲を取っていて良かったな…。上がっちゃいました」。32歳は照れ笑いを浮かべていた。

 番付は勝ち越した分だけ上がることが目安とされ、先場所10勝5敗の旭南海は通常なら十両7枚目となるはずだった。しかし、賭博で謹慎した幕内6人全員が十両に陥落したため、史上初の十両12枚目からの幕内昇進。師匠の大島親方(元大関・旭国)も「運が良かった」と複雑な表情を見せたが「稽古は休まない、というまじめなところはあるから」と地道な努力の結果であることを付け加えた。

 93年春場所の初土俵から105場所での新入幕は史上2番目の遅さ。新十両から所要31場所での新入幕も戦後6位タイのスロー記録だが、入門18年目の苦労人にはまだまだ奮起しなければならない理由がある。08年初場所に幕下に転落した際は恵夫人が長女の七海(ななみ)ちゃん(2)の出産を控えていたことを励みに、1場所で十両復帰。今回も、恵夫人が来週にも第2子となる長男を出産予定だ。「家族が1人増えるので頑張らないといけない。あきらめずに一生懸命頑張ればいいこともある」。地道に努力を重ねれば運も味方をすることを証明した32歳は、家族の思いを乗せて精進し続ける。

 ◆旭南海丈一郎(きょくなんかい・じょういちろう、本名・健博一=けん・ひろかず)1977年(昭52)12月14日、鹿児島県大島郡天城町生まれの32歳。サッカー、バレーボール、柔道を経験した後、同郷の旭道山(現タレント)にスカウトされ、15歳で大島部屋に入門。93年春場所に初土俵。入門から12年後の05年名古屋場所で新十両。幕下優勝1回。しこ名の丈一郎はあこがれのプロボクサー、辰吉丈一郎にちなむ。

 <転落組は再起誓う>名古屋場所を謹慎した幕内力士6人は十両へ、十両力士4人は幕下へ、関取だった10人全員が転落した。西十両筆頭となった豊ノ島は番付表を眺め「字が小さくなったなあ」と苦笑い。十両は5年ぶりだが「(解雇された)琴光喜のことを考えると、土俵に上がれる自分はありがたい」と神妙な表情で話した。また、元大関として77年夏場所の大受以来2人目の十両転落となった雅山は「精神的にはきついけど、やってしまったことを償う気持ちで頑張る」と話した。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年08月31日 ]

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