東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事
【プロ野球】西武サヨナラ2010年8月30日 紙面から ◆西武5−3楽天あっという間に、ボールは右中間席に飛び込んだ。1点を追う9回1死一、二塁。上本が小山の144キロの速球をフルスイングし、プロ初のサヨナラ弾。「高校時代も社会人でも記憶にない。人生初じゃないですかね」。本人も目を丸くする一発で、チームの連敗を7で止めた。 偶然の一致に驚きを隠せなかった。20日の日本ハム戦(札幌ドーム)。3点リードの9回2死一、二塁で、守護神シコースキーが飯山に同点3ランを浴びた。リードしていた上本は、連敗トンネルに入った責任を感じていた。「連敗が始まったのも3ランですからね。苦しかったです」。打席の直前、無死一、二塁で代打・原がバントを失敗。3年ぶりの8連敗がチラついていただけに、自分のバットで何とか流れを変えたかった。 予兆はあった。試合前の打撃練習中、軸足で意識的にタメを作ったところ、打球の飛距離が伸びた。最近10試合で24打数3安打、1割2分5厘と絶不調。変わるきっかけを探していた。「何とか自分のバットで決められて、少し吹っ切れました」と笑みを浮かべた。 チームは4日ぶりに3位を脱出。暗かった選手の顔つきは一変した。「このゲームがターニングポイントになる」と渡辺監督。10日ぶりの白星は、単なる1勝以上の意味を持つ。 (谷光太郎)
|