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【プロ野球】原監督 イライラ連敗ストップ2010年8月30日 紙面から ◆巨人12−11広島壮絶な打ち合い。意地のぶつかり合い。12点を奪い、11点を失った。巨人が同一カード3連敗を何とか阻止。敵地での連敗も8で止めた。それでも、内容はお粗末過ぎた。試合後の会見。原監督は報道陣の質問を何度もさえぎり、言葉をかぶせ続けた。 「言うことないんだけどね。クルーンの交代? きょうのゲームに関しては、12−11でわれわれが勝った。以上です。ほかに何もありません。みなさんに評論していただきたい。いろいろと細かいことを言い出したら止まりません!」 ボロボロの橋を渡っている心境だろう。覇権争いの渦中にいるとは信じ難い戦いぶりだ。開幕からの懸案事項は変わっていない。救援陣の不安。復調の兆しを見せていた山口が打者7人で1死しか取れない大乱調。早めの継投を余儀なくされ、クルーンを今季初めて8回から投入した。 その守護神も9回に岩本に2ランを浴びた。続く倉にも安打を許すと、指揮官はマイケルへの交代を決断した。屈辱に震えるクルーンはロッカールーム直行。阿部に「マイケルを応援しろ」とたしなめられて事なきを得たが、ベンチ内は危機的状況に直面した。 4時間24分の激闘。伊原ヘッドコーチは「みんな疲れたね」とつぶやいた。最も大事な「勝利」という結果は残った。しかし、残り30戦を切ってもラストスパートに入る準備はまるで整っていない。「本来なら(3連戦で)2つ取ってなきゃいけないわけですから」。過去を振り返ることを嫌う指揮官が、逆転サヨナラ弾を浴びた27日の試合に言及する。ロッカールームとバスをつなぐ通路は、重苦しい空気に満ちた。 (井上学)
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