東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事
【プロ野球】来季のヤクルト 小川監督の“続投”が有力2010年8月31日 紙面から
来季は正式に小川ヤクルトへ−。ヤクルトの次期監督に小川淳司監督代行(53)が有力となっていることが30日までに明らかになった。監督代行に就任した5月27日から69試合で43勝25敗1分け、6割3分2厘と驚異的な勝率でチームを立て直した手腕が評価されている。球団内部では荒木大輔投手コーチ(46)を次期監督に推す声も残っているものの、このままいけば、シーズン終了を待って正式決定する。 「ここまでとは誰も予想していなかった。監督代行の手腕はすごい」と球団関係者が口をそろえた。高田監督の休養を受け、5月27日からチームを指揮している小川監督代行だが、ここまで69試合で43勝25敗1分け。貯金「18」をたたき出している指揮官の評価は日増しに高まるばかりだ。 大胆にチームを再建した。三塁の畠山を左翼に起用。また、2軍では三塁と二塁しか守っていなかった川端を遊撃に抜てき。打力を優先させつつ絶妙な選手起用を成功させた。ある球団関係者は「選手を固定していないのに使った人が活躍している」。また、OBの一人も「プレーに細かい文句を言わず、結果次第で出場できるから、わかりやすい」と球団内外で評価を得ている。 ヤクルトでは人気や集客面を考慮し、次期監督として荒木投手コーチを推す声が依然として強い。しかし、このままいけば、1975年の広島・古葉監督を抜いて、シーズン途中から就任した指揮官として最高勝率を記録することになる。ここまで6割3分2厘の高勝率を無視できなくなってきたのも事実だ。 そこで浮上してきたのが、荒木投手コーチのヘッドコーチ昇格案だ。球団幹部の一人は「荒木もこれだけ成績が良いと、来年、監督はやりにくいはず。チーフ制を敷いて小川さんにやってもらったほうがいい」。また別の関係者からは「投手コーチ出身ですぐ監督になっても、(現横浜監督の)尾花さんのようにうまくいっていないケースが多い」と懸念する声も。そのため、来季は小川監督の下で采配(さいはい)を勉強。満を持して、荒木監督へという流れに傾きつつあるようだ。 ヤクルトは現在56勝57敗2分けで4位。3位・中日とのゲーム差は4・5あるが、負け数の差は2しかなく、CSに進出する可能性は残っている。ファンからも“続投”を望む声は多く、鈴木球団社長はこの日、「ファンの声は私の耳に届いている」とキッパリと話した。 小川監督代行は就任直後に「借金19からのスタートはみながバラバラになりがちだが、同じ方向を向いていこう」と一体感を高めた。監督問題でも、CSに向けた戦いでも、小川ヤクルトが秋のセ・リーグを熱くしそうだ。
|