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【大相撲】

旭南海 バブル昇進 十両12枚目から幕内へ

2010年8月31日 紙面から

 日本相撲協会は30日、大相撲秋場所(9月12日初日、両国国技館)の新番付を発表した。野球賭博に関与して名古屋場所を謹慎休場した豪栄道ら幕内6人が十両に、大道ら十両4人が幕下に転落した。新入幕は2人で、旭南海が西十両12枚目から一足飛びで昇進、蒼国来は中国出身では初の入幕。幕内昇進が昭和以降で初めて9人を数え、再入幕は明治以降最多の7人で、38歳6カ月の土佐ノ海は昭和以降では最年長の再入幕となった。雅山は元大関としては1977年夏場所の大受以来となる十両転落を喫した。十両以上の外国出身力士は先場所までの22人を抜き、史上最多の24人となった。

 旭南海は照れ笑いを浮かべ、申し訳なさそうに喜びを口にした。「長く相撲を取っててよかったです。たまたま上がっちゃいました」。名古屋場所は西十両12枚目で10勝5敗。どうやっても入幕するには届かないはずだったが、ふたを開けてビックリ。13枚もアップして新入幕だ。

 野球賭博に関与したとして幕内力士6人が謹慎処分。解雇された琴光喜なども含め、十両と幕内が昭和以降初となる9人が入れ替わる事態になった。この“バブル昇進”に乗っての新入幕だが「あきらめずに一生懸命やってたらいいこともあるんだな」。西十両12枚目からの入幕は、1888年1月に十両が地位として明確になって以来初めてのことだ。

 名古屋場所で負け越せば幕下陥落の可能性もあり、師匠の大島親方(元大関旭国)は本気ではないだろうが、「幕下に落ちたら家に帰す手続きをしようと思ってた」と引退させるつもりだったと話した。

 それが一転、初土俵から所要105場所での新入幕。所要場所としては史上2位、32歳8カ月は戦後4位、新十両以来の所要31場所は戦後6位というスロー昇進の記録もついた。

 9月13日は待望の長男の出産予定日。「早まりそうで、今週か来週には生まれそう」と二重の喜び。遅咲きのまな弟子に師匠の大島親方は「わたしもあきらめとった」と周囲を笑わせながらも「ちょっと厳しくやろうかな」と指導にも熱が入りそうだ。 

  (岸本隆)

 

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