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【サッカー】

長友 セリエA合格デビュー

2010年8月30日 紙面から

 【ローマ酒巻陽子】長友が上々のセリエAデビュー! イタリア・セリエAは28日、各地で開幕戦2試合を行い、当地では日本代表DF長友佑都(23)が所属する今季昇格組のチェゼーナが昨季2位のローマと対戦し、0−0で引き分けた。長友は左サイドバックでフル出場。前半20分にオーバーラップから際どいシュートを放ったほか、守備面でも激しいチェックなどで奮闘。価値ある勝ち点1の獲得に大きく貢献した。

 6万人の大観衆が詰め掛けたアウェーのオリンピコスタジアムでのセリエAデビュー戦。しかし、W杯南アフリカ大会で世界と対等に戦って得た自信は、長友の中で揺るぎないものになっていた。攻守にわたって臆(おく)することなく活躍。「楽しくできた」という言葉の通り、過度の緊張感はなく、ピッチで躍動し続けた。

 最大の好機は前半20分に訪れた。逆襲から、ボールをキープする味方FWの脇を猛然と駆け上がり、パスを受けると左足を振り抜いた。ボールはややカーブがかかって右ポストのわずか外へとそれたが、地元ローマサポーターを慌てさせるには十分なプレーだった。

 フランス代表の新鋭FWメネスを封じ、途中交代へと追い込んだ。元イタリア代表の「王子」、FWトッティにもガツガツとチェックに行き、いら立ちを誘った。得点を生み出すことはできなかったが、DFとしては満足の完封。昇格組のチェゼーナが昨季2位のローマを相手にアウェーで引き分けたのだから、番狂わせと言えるだろう。

 試合後は「ピッチに入った時には鳥肌が立ったが、セリエAでも全然やれると感じた」と満足の表情。ユニホームをスタンドに投げ入れ、チェゼーナから訪れた少数の味方サポーターとともに、勝利に値する引き分けを喜んだ。

 「強豪相手だったので大変だったが、こういう(厳しい)試合を続けていくことで自分も成長できる」と自らに言い聞かせるように語った長友。W杯での高評価がフロックではなかったことを自ら証明。さらなる飛躍を予感させるに足る合格点デビューで、イタリアにサプライズを呼んだ。

 

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