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【サッカー】

日本代表新監督 ザッケローニ氏に決定 本紙スクープ通り!!

2010年8月31日 紙面から

2月、リボルノ戦でガッツポーズするユベントスのアルベルト・ザッケローニ監督(AP=共同)

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 日本代表の新監督に本紙既報通り、イタリア・セリエAのACミラン、ユベントスなどで指揮を執ったアルベルト・ザッケローニ氏(57)が就任することが決まった。日本代表の外国人監督は6人目で初のイタリア人指揮官。既に29日朝に来日しており、原博実強化担当技術委員長と30日に最終交渉して大筋で合意に達した。難航していた新監督問題はようやく決着。2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会に向け、日本代表が新たなスタートを切る。

◆既に29日来日

 難航した日本代表の新監督人事がようやく決着した。この日2度目の記者説明会が行われた午後5時45分。群がる報道陣の前で、日本協会技術委員会本部長でもある大仁邦弥副会長が「新監督 アルベルト・ザッケローニ」と記された資料を手に説明を始めた。

 「たいへん心配をかけていた新監督がようやく決まった。ザッケローニ氏にお願いすることになった」。人選から交渉まで託してきた原博実技術委員長と、既に29日に来日していたザッケローニ氏との間で基本合意に達したことを明かした。

 きょう31日に本人同席の上で就任会見が行われるため、この日は選考の経緯、理由などは一切明らかにされなかった。ただ、約2カ月前のW杯南アフリカ大会の期間中、現地で日本の戦いを見つめ続けた原技術委員長はこう語っていた。

 「日本の場合って、(W杯周期の4年ごとに求めるスタイルが)こっちにぶれたり、あっちにぶれたりする。でも本当にいいモノって変わらないと思うんだよね。南ア大会のように、日本は『組織で守る』『ディシプリン(規律)で守る』のはどんな海外チームより素晴らしかった。その中でどんな個性的なチャレンジができるか。そこなんじゃないかと思う」

 組織的な守備を基本に、いかに攻められるか。それが「次の4年」の課題だ。それにふさわしいと思われる人物と次々に折衝を繰り返し、堅守なサッカー傾向のセリエAで大胆な攻撃サッカーを長く志向してきたザッケローニ氏にたどり着いたようだ。関係者によると、同氏も「チャレンジしたい」と強い意欲を示しているという。

 原委員長はこれまで監督選びの条件に「異文化や異国のサッカー環境下での成功体験」「欧州チャンピオンズリーグなど高い舞台での実績と経験」などを挙げてきた。だが、ザッケローニ氏は過去に外国で指揮を執った経験は皆無に等しく、近年ではクラブレベルでも成功を収めているとは言い難い。ザッケローニ新監督に何を求め、託していくのか。きょう31日の就任会見で、日本代表強化の具体的な道筋が明らかになる。

◆日本に合う性格 大黒

 イタリア・セリエAのトリノに在籍していた06−07年シーズンに、ザッケローニ監督から指導を受けた経験を持つFC東京のFW大黒将志は30日、「すごく穏やかでいい人。8カ月くらい一緒にやったけど、日本人に合う性格かも」と温厚な人柄を語った。

 一方で、戦術についてはかなり厳密だったという。「基本は4−3−3だった。攻撃が好きな監督でした。3トップはどちらかのサイドのFWがボールを持ったら、逆サイドのFWがダイアナゴル(斜め)の動きを求められましたし、約束事も多かった。攻撃はかなり高い能力を求められた」。当時の布陣は、3−5−2や3−5−1−1も併用していた。

 日本代表の監督に就任することに関しては「戦術は複雑だけど、代表なら日本人だけのチームになる。意思の疎通もできるし、大丈夫だと思う」と太鼓判を押していた。

 

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