記: 放送作家のお仕事で一番幸せだなぁ、と感じられることはなんですか? 響谷さん: 放送作家っていう仕事の醍醐味っていうのは、自分が創ったものに対して人々から反応があることですね。リスナーとか視聴者とかからいろんなフィードバックがもらえる。それでまた自分も勉強させられるし、新しい何かもっといいものを創りたいなって思える。そこですね、やってて一番幸せだなって思えるのは。創れば最低でも何百万って人が見てくれるっていうのが嬉しいですね。
ただ、逆に色んな興味がないとできない仕事かも知れないですね。そういう意味ではある種繊細かも。常識とかに対して順応できない、そういう人が多いかも知れない。くだらない話からもそれって面白いねっていうふうに新しい発想を得る。だからある意味、馬鹿になれなきゃいけないかもしれないですね。少年心を忘れないみたいな、ある種みんな子供なんだと思います。発想って急に出てくるものじゃないから、他の要素は必要ですね。特にバラエティを作る人っていうのはそうですね。報道番組を作る人っていうのはそんなの必要じゃないですけど。 僕の場合は放送作家連盟という学校に半年間通って卒業しています。そこに入ったから放送作家になったというわけではないんですけど。僕はもともと学生の時に遊んでいてその時知り合った人脈で、プロデューサーの方からじゃあやってみなよってことで今は仕事をもらってるんで。放送作家ってみんなそんな人だと思いますよ。または秋本さんみたいにラジオとかテレビなんかに葉書を出して企画がディレクターの目に留まったりとか。 記: 放送作家のお仕事をしていく上での“ポイント”はなんでしょう? 響谷さん: どれだけ友達が多いか。どれだけ人と仲良くなれるか。暗い人はだめ、絶対に。ただでさえテレビ局の人ってみんな暗い。みんな疲れちゃってるから。それをドヒャーって、そういう明るい人かな。自分がいつも色んな楽しいことをしていてこんなことがあったんだよ、あんな事があったんだよって言える人。 それから、Aさんとはよく飲みに行って気心も知れている。Bさんは全く知らない。Aさんの企画よりもBさんの企画の方がちょっとおもしろい。でもAさんをとる、そういう世界です。つまり、どれだけ人と仲良くなれるかがポイントなんじゃないかな。どれだけ変わった見方ができるか。どれだけ人と変わってるか。どれだけ変態か。コップにただ麦茶が入っていると見るか、それが誰かの小便でだれかがいたずらしてるのかも知れないと思うか。どこまで変な考えができるか、これが放送作家の器量ですね。みんなと同じ見方をしていてはだめなんですね。色んな方向から見て匂いをかぐまでできるか。とにかく情報量なんですよ。どれだけミーハーでいられるか。どれだけ色んな事を知っているか。そんなに深い知識は要らないの。どっちかっていったら浅く広く。あと局に行った時にどれだけ自分のインパクトを与えるかだから、変わった格好してる人が多いですよ。何か知らないけど、この人いつも変わった格好してるな、発想力があるよねって思わせるのも放送作家の仕事ですね。セルフプロデュース、そういう意味で実はファッションに気をつかう職業でもありますね。ちょっとでも面白いと思わせたらもう勝ちですね。 |