記者(以下、記): 放送作家ってどんなお仕事をする職業なのですか? 響谷さん: 放送作家っていうのは脚本家と構成作家に分かれると思います。構成作家っていうのは、テレビ番組やラジオ番組を作る人たちのことをいいます。ほとんど今は、世間一般で放送作家ですっていう時はこの“構成作家”のことを指していますね。放送作家といえばバラエティ作家のことですね。今はテレビの8・9割がバラエティなんです。僕は構成作家って名乗ってるんですけど、企業とかを回る時なんかは、みんな「はぁ?」ってかんじになっちゃうんで放送作家って言います。まあ同じようなものですね。演出家とはまた違います。 記: プロデューサーやディレクターと言われる職業とは違うのですか? 響谷さん: プロデューサーやディレクターっていうのは基本的には局に所属している人や、完全な制作会社に所属している人たちです。放送作家はみんな基本的にインディペンデント、要するにフリーなんです。テレビは局で作っちゃえばいいんですけど、テレビ局の人ってみんな忙しいじゃないですか。だから自分達が煮詰まっちゃって新しい発想ができなくなるんで、そこで外からの空気をってことで放送作家を入れるんです。違った見方をしてくれると助かるよねって。変な話、放送作家って一番要らない職種かもしれないですね。(笑)誰を連れてこれるかこれないか関係なしに、たとえばMCはユースケ・サンタマリアにしようとか、構成としてタレントさんと誰と誰をつなげてこういう企画をやらせたらおもしろいんじゃない?とか、そこまでが放送作家の仕事。企画があってそれに誰と誰を組み合わせるかっていうのも放送作家の仕事。基本的には脚本も書きます。僕たち放送作家がイメージしたものをディレクター・プロデューサー・ADさんなどが全部動いて作ってくれる。僕たちが仕切れるわけです。そういう意味で面白いですよね。 記: プロデューサーやディレクターと似ているように聞こえるのですが・・・。 響谷さん: プロデューサーになりたい人もいるだろうし、放送作家になりたい人もいるだろうし。似てるといえば似てますけどね。プロデューサーやディレクターはサラリーマンで、クビはないじゃないですか。僕たちは要らなくなったらいつでも呼ばれなくなるんで。そういう意味では安定してないですね。でも稼ぎ始めたらすぐ億の世界ですね。クリエイターとしてはスポーツ選手なんかと一緒ですね。ギャラも多いし。才能があれば稼げる世界ですね。アメリカンドリームならぬジャパンドリーム。そういう意味では目指していい職業だと思いますよ。 |