不況が排外主義を招く?
排外主義の原因を不況にしか求めない愚劣
New Dissent in Japan Is Loudly Anti-Foreign
By MARTIN FACKLER
Published: August 28, 2010
http://www.nytimes.com/2010/08/29/world/asia/29japan.html?scp=1&sq=zaitokukai&st=cse
アメリカの「ニューヨークタイムズ」が、在特会をはじめとした<行動する社会運動>を取り上げた特集記事を掲載した。京都の勧進橋児童公園奪還闘争をはじめ、我が国における在日朝鮮人の問題などをめぐって、双方の言い分を掲載しながら綴られた記事なっていると聞いた。
記事中において、これらの運動は中間層や下層階級を中心に、「低賃金の時間制勤労者および最近急増した派遣労働者が多く含まれており、日本の長期景気低迷と政治的影響力の退潮による副作用の産物に見える」と記している。いつもの如く紋切型の「不況になれば排外主義を招く」の理屈である。この理屈は我が国の共産主義者たちからも繰り返し叫ばれ続けて来た。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の理屈よりも、もっともらしく聞こえながら、それでいて何ら実証的な検証を施されていないのが、この「不況になれば排外主義を招く」の理屈である。「不況だから、そこから溢れた連中が外国人を差別して憂さ晴らしをやっているんだ」という構図に持っていくことによって、外国人の横暴に異を唱える人間に、「社会的落伍者」というレッテルを貼る意図がある。この意図こそ、彼らが批判する差別的発想そのものである。
さて、そもそも不況になれば排外主義が台頭するのか?
彼ら「不況=排外主義台頭」論者たちの論法は、第一次大戦後の世界恐慌と、その後のドイツにおけるナチス党台頭を引例する。確かに当時のドイツは不況と経済的混乱期にあっただろう。しかし、それは全世界各国においても同様であった。けれど全世界でナチス的なるものは台頭しなかった。
さらに付言すれば、当時の二十年代のワイマール・ドイツは、爆発的な悪性インフレが終息し、アメリカの活発な投資を受けて「相対的安定期」を迎えている最中であった。ドイツの例を出すのは、「不況が排外主義を招く」という結論ありきで、「排外主義の背景に不況の影らしきものがあった」と強弁しているに過ぎない。
東京大学教養学部教授であった西義之氏は、戦前の我が国における経済動向と政治的情勢の趨勢を分析して、「経済的窮迫と政治的ラディカリズムを、ただちに結びつける事はできない」と論じている。犬養毅首相暗殺の五・一五事件は農村が圧迫疲弊する中で発生したが、二・二六事件は日本経済の上昇期にあったなどとする分析である。
そもそも、過激な政治的ラディカリズムの台頭が、不況の中でしか発生しないという理屈が、いかに根拠薄弱であるかを、最も知っているのは「不況が排外主義を招く」というテーゼを叫び続ける団塊世代のサヨク当人たちだろう。彼らが暴れに暴れた昭和四十年代は、まさに高度経済成長のまっただ中であり、全世界も好景気に酔いしれていた。
そうした時に「不況が政治的ラディカリズムと直結する」というテーゼが揺らいだ時に、彼らが口々に叫んだのは「豊かさの中での反乱」という論法であった。景気が良いからこそ、かえって反抗したくなるというものだ。なんのこっちゃ。ただの革命ごっこだったのか。
そもそも、彼らの多くが信奉したマルクス主義においては、不況=資本主義の矛盾による破綻こそが、共産主義の台頭を招くという論理であった。ところが、彼らは今や口々に「不況によって台頭するのは排外主義」だと異口同音に叫んで止まない。草葉の陰でマルクスも目を丸くしている。
共産主義理論においては、不況の中にあっても、こうした「社会の矛盾関係」に目覚める事無く、資本家・体制の走狗となって、外国人や「労働者階級」に敵対する者は、「最も軽蔑すべきルンペン・プロレタリア階級」だそうである。つまり社会からあぶれた浮浪者のごとき輩であると。
我々が「ルンペン」だろうが「ハンペン」だろうが構わない。しかし、この理屈が現状と最も違うのは、この理論の継承者たる左翼自体が、資本家・体制の走狗となり、彼らが言うところの「低賃金・下層労働者」が、彼らによって「排外主義者」とレッテル貼りを受けつつも、反体制の立場にたっている現実ではないか。
その現実を隠蔽し、自らの既得権益を維持せんとする方便が「不況が排外主義を招く」とする愚劣な仮説に過ぎないのである。そんなに、「不況が排害主義」を招くというのなら、それこそがマルクスのいう「歴史の必然」ではないのか。
排外主義の背景にある真の原因を直視せよ!
景気が良くなっても、支那人朝鮮人の侵略は止まず!
排外主義運動はレジスタン闘争である!
応援のクリックを!
New Dissent in Japan Is Loudly Anti-Foreign
By MARTIN FACKLER
Published: August 28, 2010
http://www.nytimes.com/2010/08/29/world/asia/29japan.html?scp=1&sq=zaitokukai&st=cse
アメリカの「ニューヨークタイムズ」が、在特会をはじめとした<行動する社会運動>を取り上げた特集記事を掲載した。京都の勧進橋児童公園奪還闘争をはじめ、我が国における在日朝鮮人の問題などをめぐって、双方の言い分を掲載しながら綴られた記事なっていると聞いた。
記事中において、これらの運動は中間層や下層階級を中心に、「低賃金の時間制勤労者および最近急増した派遣労働者が多く含まれており、日本の長期景気低迷と政治的影響力の退潮による副作用の産物に見える」と記している。いつもの如く紋切型の「不況になれば排外主義を招く」の理屈である。この理屈は我が国の共産主義者たちからも繰り返し叫ばれ続けて来た。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の理屈よりも、もっともらしく聞こえながら、それでいて何ら実証的な検証を施されていないのが、この「不況になれば排外主義を招く」の理屈である。「不況だから、そこから溢れた連中が外国人を差別して憂さ晴らしをやっているんだ」という構図に持っていくことによって、外国人の横暴に異を唱える人間に、「社会的落伍者」というレッテルを貼る意図がある。この意図こそ、彼らが批判する差別的発想そのものである。
さて、そもそも不況になれば排外主義が台頭するのか?
彼ら「不況=排外主義台頭」論者たちの論法は、第一次大戦後の世界恐慌と、その後のドイツにおけるナチス党台頭を引例する。確かに当時のドイツは不況と経済的混乱期にあっただろう。しかし、それは全世界各国においても同様であった。けれど全世界でナチス的なるものは台頭しなかった。
さらに付言すれば、当時の二十年代のワイマール・ドイツは、爆発的な悪性インフレが終息し、アメリカの活発な投資を受けて「相対的安定期」を迎えている最中であった。ドイツの例を出すのは、「不況が排外主義を招く」という結論ありきで、「排外主義の背景に不況の影らしきものがあった」と強弁しているに過ぎない。
東京大学教養学部教授であった西義之氏は、戦前の我が国における経済動向と政治的情勢の趨勢を分析して、「経済的窮迫と政治的ラディカリズムを、ただちに結びつける事はできない」と論じている。犬養毅首相暗殺の五・一五事件は農村が圧迫疲弊する中で発生したが、二・二六事件は日本経済の上昇期にあったなどとする分析である。
そもそも、過激な政治的ラディカリズムの台頭が、不況の中でしか発生しないという理屈が、いかに根拠薄弱であるかを、最も知っているのは「不況が排外主義を招く」というテーゼを叫び続ける団塊世代のサヨク当人たちだろう。彼らが暴れに暴れた昭和四十年代は、まさに高度経済成長のまっただ中であり、全世界も好景気に酔いしれていた。
そうした時に「不況が政治的ラディカリズムと直結する」というテーゼが揺らいだ時に、彼らが口々に叫んだのは「豊かさの中での反乱」という論法であった。景気が良いからこそ、かえって反抗したくなるというものだ。なんのこっちゃ。ただの革命ごっこだったのか。
そもそも、彼らの多くが信奉したマルクス主義においては、不況=資本主義の矛盾による破綻こそが、共産主義の台頭を招くという論理であった。ところが、彼らは今や口々に「不況によって台頭するのは排外主義」だと異口同音に叫んで止まない。草葉の陰でマルクスも目を丸くしている。
共産主義理論においては、不況の中にあっても、こうした「社会の矛盾関係」に目覚める事無く、資本家・体制の走狗となって、外国人や「労働者階級」に敵対する者は、「最も軽蔑すべきルンペン・プロレタリア階級」だそうである。つまり社会からあぶれた浮浪者のごとき輩であると。
我々が「ルンペン」だろうが「ハンペン」だろうが構わない。しかし、この理屈が現状と最も違うのは、この理論の継承者たる左翼自体が、資本家・体制の走狗となり、彼らが言うところの「低賃金・下層労働者」が、彼らによって「排外主義者」とレッテル貼りを受けつつも、反体制の立場にたっている現実ではないか。
その現実を隠蔽し、自らの既得権益を維持せんとする方便が「不況が排外主義を招く」とする愚劣な仮説に過ぎないのである。そんなに、「不況が排害主義」を招くというのなら、それこそがマルクスのいう「歴史の必然」ではないのか。
排外主義の背景にある真の原因を直視せよ!
景気が良くなっても、支那人朝鮮人の侵略は止まず!
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# by haigai | 2010-09-01 00:06 | 排害主義 | Trackback