2011年度の政府の沖縄関連予算は総額2304億500万円が概算要求された。
本年度の概算要求額からは142億円の減額。政府の沖縄予算がピークだった1998年度(4700億円超)に比べ半分以下だ。
一般会計予算が右肩上がりに増える中で「沖縄予算」の減額傾向は、政府の沖縄問題に対する軽視、あるいは県当局の「知恵比べ」の敗北の印象を受ける。なぜなら、「沖縄問題」はいまだ解決の途上にあるからだ。
全国一の高失業率に加え、全国最低レベルの所得、賃金、貯蓄など、「本土との格差是正」は、復帰後38年を経た今も「問題」として厳然と横たわっている。
道路、港湾、空港など主要インフラの整備は進んだようだが、あふれる失業者を全国並みに吸収する企業、雇用力は不足したままだ。
復帰後も続く「沖縄問題」をいかに解決するか。
課題は、克服策となる政策立案能力の向上にあろう。そして、立案した政策の実現に必要な予算を政府交渉の中で、どう確保するか。県当局の交渉力も課題である。
政府の沖縄予算の減額続きに、「政策立案能力の低下」を嘆く県庁OBも少なくない。
予算の減額は「課題が克服されたか、目標が達成された時に行われるもの」で、課題が山積する中での減額には、OBの厳しい指摘もうなずけるというものだ。
仲井真弘多知事にとっては、本年度は1期4年の任期最終年度だ。4年前の知事選時に掲げた“公約”ともいえる「政策目標」には14の「おきなわ力」が並んでいる。
経済力、観光力、基盤力、解決力、子育て力、女性力、国際力などパワフルな“公約”である。
だが残念ながら掲げた完全失業率の全国平均化、那覇空港の第2滑走路整備、普天間飛行場の危険性の早期除去、待機児童ゼロ、沖縄科学技術大学院大学の09年開学など主要政策の大半が未達成である。就任10年後の観光客1000万人誘致の目標も観光客減と後退している。
4年前の知事選挙で掲げた政策目標を知事は読み返してほしい。知事が掲げた「沖縄問題」の解決に必要な政策と必要な予算をどう確保するか。仲井真県政にとっては正念場だ。
沖縄問題を解決する政治力をどう発揮するか。年末の予算折衝に向け「県政力」が試されている。
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