ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 鳥取 > 記事です。

鳥取

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

県立中央病院訴訟:がん死亡男性両親と和解金550万円で合意--県 /鳥取

 がん検査を求めたのに担当医らが半年間にわたって行わなかったため、がんの発見が遅れて死亡した、として鳥取市の男性(当時18歳)の両親が県と県立中央病院の医師2人を相手取り、約9300万円の損害賠償を求めていた訴訟は和解することで双方が合意した。鳥取地裁(朝日貴浩裁判長)が和解を提案していた。病院は30日、県が原告に550万円の和解金を支払うと発表した。

 訴状によると、男性は05年1月、右太ももの痛みを訴えて同病院で受診。整形外科の担当医は、神経性疾患だとして神経内科に転科させた。神経内科の担当医は、男性が痛みを訴え、両親ががん検査を求めたにもかかわらず、「100%がんではない」と否定した。

 同年7月、同病院内科の検査でがんが見つかった。手術したが、肺などに転移しており、男性は06年7月に死亡したという。

 病院によると、病名は「骨外性骨肉腫」。85~94年の10年間に全国で19例しか確認されていない珍しい疾患で▽罹患(りかん)場所は、骨盤の中の「腸腰筋」にあって非常に発見しにくいこと▽平均発症年齢は46歳で、多くが成人で発症することを挙げ、発見や治療の難しさを説明した。

 武田倬院長は「和解は病院に過失があったというものではなく、裁判所の提案に応じて訴訟の早期解決を図るためのもの」と説明している。【遠藤浩二】

毎日新聞 2010年8月31日 地方版

PR情報

鳥取 アーカイブ一覧

 
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド