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富士薬品 5億円余の所得隠し

8月31日 13時19分 twitterでつぶやく

家庭に薬を届ける「置き薬」で最大手の医薬品販売会社「富士薬品」が、不動産投資で多額の損失が出たように装っていたとして、関東信越国税局から5億円余りの所得隠しを指摘されたことがわかりました。申告漏れの総額はおよそ15億円に上ります。

所得隠しを指摘されたのは、さいたま市の医薬品販売大手「富士薬品」です。富士薬品は家庭に薬を届ける置き薬の販売では国内トップのシェアがあり、ドラッグストアチェーン「セイムス」などの店舗をグループで800店以上展開していますが、関係者によりますと、ここ数年、創業者の元会長の意向で不動産投資に乗り出し、専門の子会社を設立して東京などでビルや土地などの買収を進めていました。しかし、去年3月期の決算では、多額の赤字が出たとして100億円を超える損失を計上しています。これについて、関東信越国税局から、不動産投資をめぐって一部で実態と異なる過大な損失を計上しており、子会社への寄付に当たるとして、去年3月までの1年間に5億円余りの所得隠しを指摘されました。そのほかの経理ミスを含めた申告漏れの総額はおよそ15億円に上りますが、追徴税額は、もともと会社が赤字だったため、重加算税を含め6000万円余りにとどまったということです。これについて富士薬品は「きのう国税局から処分の通知を受けた。税理士と対応を検討したい」と話しています。