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貴乃花親方「審判部長」大抜擢の舞台裏

2010年08月29日
スポーツ

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日本相撲協会は20日、東京・両国国技館で臨時の理事会と評議員会を開き、放駒理事長(62=元大関魁傑)の新体制での担当を決め、理事長の補佐役となる新設の副理事長に元東京高検検事長の村山弘義外部理事(71)を選出した。最大の目玉となったのは史上2番目の若さで審判部長に就任した貴乃花理事 (38=元横綱貴乃花)。この大抜てきの真の狙いは執行部から遠ざけることだったようだ。
力を発揮できるのは土俵だけ…実は〝お飾り〟
審判部長の要職に就任した貴乃花理事は「番付と勝負付けで公明正大を目指す。お客様が観戦を楽しめるよう的確な判定を志したい。現役力士がやる気を起こしてくれるような明確な判断基準で集中力を高めてやりたい」と意気込んだ。放駒理事長も「審判部長は一番の顔だ。抜てきと考えてもらっていい」としたが、その言葉をうのみにはできない。
今回の人事で放駒理事長が頭を痛めたのは、胃がんの手術直後で体調も芳しくない武蔵川前理事長(62=元横綱三重ノ海)の処遇だった。会見でも放駒理事長は「最初に考えたのは体調を壊しておられる武蔵川前理事長をどこの部署にするかだった」と吐露している。
そこで浮上したのが、協会内では〝閑職〟と言われている相撲教習所長のポストだった。言わずと知れた貴乃花理事が務めてきた役職で、前理事長の席を用意するために同理事を動かさざるを得なかったというわけだ。
これまで審判部長といえば重要なポストの1つだったが、最近ではそんなイメージも変わりつつあるようだ。ある協会幹部も「審判部長の権限が及ぶのは土俵の上だけ。協会を動かす権限はまったくない」と断言する。実際、今年2月からは武蔵川理事長降ろしに動いたとされる九重理事(55=元横綱千代の富士)、友綱理事(58=元関脇魁輝)の2人が務めていたのも、そんな背景があったからだ。また村山外部理事が新設された副理事長職に就いたことで、かつて協会ナンバー4と言われた審判部長職の格は大幅に落ちている。
貴乃花理事は今年1月の理事選で二所ノ関一門を離脱したこともあり、放駒理事長とは犬猿の仲。12日の理事長互選でも北の湖理事(57=元横綱北の湖)を推薦し、亀裂を決定的なものにしてしまった。各場所の表彰式で優勝旗を渡すなど一見華やかなポストに就任したが、貴乃花理事が放駒体制で実権を握るようなことはないのが現実だ。

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