高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
263:吉岡治さんと言えば「魔神バンダー」だ!
<2010年5月=東スポ携帯サイトより>
5月17日、演歌、歌謡曲、童謡、アニメソング、特撮ソングと幅広い分野
で活躍された作詞家・吉岡治さんが亡くなった。享年76。
最近では海を超えた米メジャーリーグでイチローのテーマ曲となっている
「天城越え」(石川さゆり)、「さざんかの宿」(大川栄作)、「命くれな
い」(瀬川瑛子)、「大阪しぐれ」(都はるみ)、「真赤な太陽」(美空ひばり)などなど、その有名すぎる楽曲は、改めて紹介する必要もないだろう。
童謡で「おもちゃのチャチャチャ」(作家・野坂昭如作詞の補作)や、クリスマスソングの定番「あわてんぼうのサンタクロース」なども作詞。アニメソングでも「悟空の大冒険」(67年)や「キャプテン翼」(83年)の主題歌を作詞し、それぞれヒットさせているのだから凄い。
で、特撮ソングとなると、やや様相が変わる。それほどヒットしたワケでもないのだが、とにかくインパクトが強烈なのだ。
吉岡さんが作詞した特撮作品の主題歌は「光速エスパー」(67年)と「魔神バンダー」(69年)の2作品。
特撮ソングの王道は、そのヒーローたる主人公の特徴や出自、そして悪と戦わざるをえない世界観や必殺技の数々を朗々と歌い上げること。
歌詞の主語(つまりは立ち位置)も、ヒーローそのものだったり、劇中でヒーローに助けられる誰か(大抵は子供)だったりすることが多い。
ところが吉岡作品の特撮ソングは、歌詞から推測できる立ち位置が、劇中から飛び出してテレビの前に座るちびっ子だったりする。
まず光速エスパーならば「♪輝く強化服かっこいいぞ~」と、完全に視聴者目線。
魔神バンダーの主題歌に至っては「♪ガガガガガガーン ビルだって 怒れば怖い 壊しちゃう 」(しかもメロディーは、めっぽう明るいマーチ風だ)と、もはや脅迫だか何だか分からない感じが、とてもステキなのだ。
よくよく考えてみれば、あの「天城越え」の有名すぎる一節「♪誰かに盗られるくらいなら あなたを殺していいですか…」も、バンダーにおける「怒れば怖い 壊しちゃう」も、根底に流れている精神は同じような気がする。
これから年末に向けて、各レコード会社から吉岡作品を集めたオムニバスCDが多数発売されることになるだろう。
その時は、演歌、歌謡曲の名曲に交えて、ぜひ「魔神バンダー」(ちなみに版元はクラウンレコード)の主題歌を収録していただきたい。
聴き終わった後、どの名曲にも負けない強烈なインパクトを脳内に残す吉岡作品は「魔神バンダー」であると断言しておこう。
本日の見出し
ザッケローニ日本代表新監督 本田と衝突必至
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